内容説明
ところは浅草、ぐずろ兵衛のあだ名で呼ばれる岡っ引き三代目・六兵衛に、損料屋の箱入り娘との縁談が舞い込んだ。同じころ、世話になっている北町奉行所の同心から、札差の放蕩息子を探し出し、灸を据えて欲しいとの依頼が入る。その札差から二百両の密通小判が盗まれたと聞いていた六兵衛は、すぐに動き出し…。藪医者に危な絵師、赤鰯の浪人に艶っぽい三味線師匠と、ひと癖ありそうな連中が集う「どろぼう長屋」で繰り広げられる、入り婿岡っ引きの活躍やいかに!?傑作捕物帳、装いを新たに刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
92
十手長屋物語1巻。ぐずろ兵衛とあだ名で呼ばれる三代目の岡っ引き六兵衛さん、なんだかんだと回りの助けもありで岡っ引きらしくなってきましたね、箱入り娘の嫁おこんさん、六兵衛さんを見直したのか?長屋に来てくれるようです。2019/06/03
タイ子
58
こんな冴えない岡っ引き今までいたっけ?やる気のやの字も感じさせない寝てばかりの十手持ち六兵衛。この六兵衛のところに縁談話が。相手は大店の箱入り娘ときた。何で俺なんかに?と思うよね、普通。嫁欲しさに訳あり話に飛びつき、長屋の木戸番小屋の主に収まる。が、長屋の誰も相手にしてくれない、入り婿で嫁は実家に帰ったまんま。岡っ引きだから事件が起こらなければ話にならない。六兵衛さん、なかなかやるじゃん!みたいな流れになってから話が面白くなる。季節ごとに咲いてる花がさりげなく書かれているのもいい。シリーズ追っかけよう。2019/04/28
真理そら
30
『鬼役』シリーズの超人的な強さも好きだけれど、ゆるゆるの頼りない若親分・六兵衛も好きなキャラだ。「忘れ文」の若い二人の気持ちは通じていたけれど悲しいお話だった。やっと新妻・おこんとの間もまともになりそうで良かった良かった。(『忘れ文ぐずろ兵衛うにゃ桜』の加筆修正)2019/03/31
らび
24
祖父から3代続く岡っ引きの六兵衛だがやる気のなさから「ぐずろ兵衛」と馬鹿にされている。がそこに損料屋の小町娘・おこんとの縁談が持ち込まれる。まさかの入り婿となるもおこんからは相手にされず実家から離れない。木戸番小屋に収まるも怪しすぎる長屋の面々と義父庄左衛門にどんどん巻き込まれていく。逆さ柱の他にも六兵衛を囲い込む訳がありそうですが、この六兵衛、絶体絶命のピンチに肝が据わる妙な度量があり情に厚い。いつか、おこんも分かってくれますよ。2019/10/27
やな
15
くずろ兵衛とばかにされている岡っ引きの話、色々な要素が散りばめられており、今後どのような話に発展していくのか楽しみです(^_^)