内容説明
人生の塩辛いところばかり舐めようとして生きるため「ソルティ」と呼ばれている若月真一郎。数年ぶりに大雪が降った日、若い男女を見かけ、ソルティは何気なく声を掛けた。この二人が新たな抗争の火種になることも知らずに―。一方、ひとりの男がこの街に降り立つ。男の名は川中良一。N市で「ブラディ・ドール」という酒場を経営しているという。ソルティが見かけた女と、川中が探している女が同一人物と判明したが、その女は殺し屋に狙われていた―。シリーズ第十六弾!!
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
37
遂にこの街に降り立ったのですね。川中が登場することで物語はぐっとハードボイルド色が強くなったように感じました。2022/06/27
サン
15
ブラディドールシリーズ16冊め。約束の街シリーズとして出版されたものをブラディドールシリーズとして新たに文庫化。若月と川中が出会い、若月は再び燃える。シリーズの登場人物たちがこうして共演し、化学反応する様がいい。安見はその環境ゆえに強い女になった。いい人と結ばれてほしい。今作は若月を好きになれる。2019/03/28
フク
14
#読了 再びの若月。 シェイクしたドライ・マティニーとR32はどこか安心感が違う。 仲間の技を受け継いで使うのはグッとくるものがる。 図書館2024/07/21
白きゅまⅢ
10
『ブラディ・ドール』シリーズ第16巻。ついにあの男が現れた!N市で「ブラディ・ドール」という酒場を経営している、川中良一が!川中が登場したことで、このシリーズは俄然男臭さが増したように感じられました!物語のキーパーソンとなる安見は、前シリーズでの記憶が全くない為、懐かしさを感じることが出来ず残念でしたが、結構味のある女性でした♪一方、もう一人のキーパーソンである雄一は、思っていたキャラと違いちょっと幻滅です。正直、今まで余り好きではなかった「ソルティ」若月真一郎を見直す結果となった作品でした♪★★★☆☆2020/04/20
がんもどき
9
ブラディ・ドールの主役、川中がとうとうやって来た。作者にとって大物すぎるキャラなので、川中、坂井の2キャラは下手に事件にかかわらせられないという感じで扱われる。不気味な拳法使いだった水村も今まで見せなかったような顔を見せるし、ソルティや波崎は霞んで見えるし、作者の思い入れのバランスがいびつになってる。相対的に村井雄一が三流のダメ男になって締めがひどいことに。見せ場がないキャラに重要な位置につかせないでほしかった。2023/01/14