内容説明
姑の一子と嫁の二三に手伝いの万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客で大にぎわい。そんなある日、常連のひとり三原が、一子たちをお花見に招待したいという。三原は元帝都ホテルの社長で、十年程前に妻を亡くして、佃のタワーマンションに一人住まい。一子は家族と親しい人を誘って出かけるが…。心温まる料理と人情で大人気の「食堂のおばちゃん」シリーズ、第四弾。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1958年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。会社勤めをしながら松竹シナリオ研究所でドラマ脚本のプロット作成を手掛ける。2007年『邪剣始末』でデビュー。13年、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら執筆した『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
370
今作は、酒飲みの自分には、酒のアテになりそうな料理ばかりで、レシピを聞いて自分で料理を作って食べたくなるね。そして日本酒が飲みたいよ。日高見(ひたかみ)という酒が気になる。日高見を飲んでみたい。万里も今、料理を作るのが楽しくて仕方ないんだろうなあ。料理を楽しそうに作る姿が見えました。あいかわらずアットホームな食堂の雰囲気。常連さんが話で盛りあがっているのを、カウンターの方隅で控えめに話を聞きながら、笑っている自分がいる錯覚に陥りました。こんな食堂があったら、ほぼ毎日、通っちゃうなあ。2018/11/02
KAZOO
168
シリーズ4作目です。久しぶりに読んだせいか常連の人々の名前を忘れてしまっていました。ぼけてきたのかもしれないですね。3作すべてを読み直さないとダメですね。ここに出てくる食べ物は普段食べるようなものばかりでしかもおいしそうで、すぐ作れるようなものなので自分も作ってみようかと思いながら読みました。2018/11/19
ゆのん
149
【食堂のおばちゃんシリーズ4作目】今回も美味しそうなメニュー盛り沢山のはじめ食堂。レギュラーメンバーが続々と登場する中、第2話『福豆の行方』はあまりにメイちゃんが可愛そうで泣けた。いつも明るく前向きなメイちゃんはお気に入りのキャラクターである。要も配属変えになり大御所時代小説家の担当に。足利省吾先生も今後のシリーズで再登場すると良いなぁ。第4話『サスペンスなあんみつ』はおまけの短編の様な感じがして面白かった。嫁姑の仲の良さは健在だ。262019/01/23
タイ子
148
食堂のおばちゃんシリーズ第4弾。いつ読んでもいいですね、この食堂の料理とそこに集う常連客。今回は年末で始まり、年始からお花見まで。野菜や魚が高騰していろいろ工夫する様子なんかリアル感があって頷きながら読んでた。料理の中にそれぞれの思い出があって、それらが少しづつ開かされていく過程もこの作品の魅力ですね。イワシのカレー揚げ、食べてみたい、いや作らないとね。2018/09/13
蒼
124
一(にのまえ)食堂繁盛記(^◇^)一子おばあちゃんがますます元気でよかった。小さな事件は多々あるけど、一子、二三、万里の三人が作る料理でみんな胃袋と心を満たされ癒されて行く。ご飯を美味しく食べることができたら大抵のことは心配無いのかなって思えた。ただ一と二三が思い出の味を求めて出かけたお店での話は少し切なかった。流れる時の中で変わらざるを得ないことも、変わらずにいる事も大切だけど、その変化と共に時を過ごす事のない人間にとっては、ただの郷愁でしか無いのかなって。一食堂はどんなふうに変貌して行くのかな。2019/02/16