内容説明
ぼくが母と貧乏暮らしをするハメになったのは、十年前、親父が盗撮で逮捕され、両親が離婚したからだ。父から呼び出されたぼくは、父の「隠し子」を名乗る女刑事の身元調査を引き受けた。それが本当なら姉となる美人刑事は、父を陥れた盗撮事件の裏に警察の陰謀があったことを教えてくれた。人生暗転の理由を悟ったぼくの前に、幼なじみだったメイが、ネジのぶっ飛んだ美少女として現れる。高二の夏休み、ぼくとメイは電動自転車を駆って、人生を取り戻すミステリーへ走り出す!
著者等紹介
樋口有介[ヒグチユウスケ]
1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第六回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pen
20
つづけて樋口さん。このタイトルとこの装丁。人前では絶対読めない(笑) 超天然?の良家のお嬢様にしゃべる猫。もう樋口ワールド全開!楽しめました 2018/07/14
ジロリン
20
タイトルと作者買い。猫に、成仏できない霊が乗り移って主人公と会話する…かなり突飛な設定なのにSFにならないところが凄いw と、いうわけで内容は著者お得意の青春ハードボイルド(風)ミステリ。盗撮事件で社会的に抹殺された父親(とは言え"売れっ子変態官能作家"として復活してる、というのがオカシイ)の隠し子…と言っても、高校生である主人公より年上でバリバリの刑事なのだが…が現れて、10年前の盗撮事件の真実を、これまた突然現れた幼馴染みの女の子と解決するひと夏の出来事を描く。この作家が好き人ならば楽しめる一冊かな。2018/06/22
HERO-TAKA
18
単行本にて読了済み。別な場所で感想を書かせていただいたので、ここでは簡単に。「30年の時が過ぎても、『ぼくと、ぼくらの夏』は姿を変えて続いていく」。2018/07/18
ぶんぶん
15
【図書館】柚木草平シリーズの合間に読了。 表紙を見るとヤングミステリーらしい。 表紙の女の子が可愛い、しかし、樋口有介のミステリーかとしみじみ思う。 軽妙な語り口、コンビになる小学校の同級生・メイの登場、腹違いの姉の出現、樋口ミステリ―だ。 しかし、こんなに複雑になるかな・・・古本屋のお姉ちゃんも不思議な人物。 メイもとんでもない家族ととんでもない性格と学力、全部詰め込んだ有り得ないミステリー。 でも、一陣の風が吹くように起こる高校生の夏休みの冒険談。 事件は暗いがサラッと読めるライトミステリー。 2021/10/10
ううち
11
久しぶりの樋口有介さん。実写の表紙だし、ファンタジー絡めてきたのは意外でしたが、読み進めると悪くない。そして裏切らないいつもの感じがやっぱり好き。電動自転車いいなぁ。高校生っぽいキュンとくるラストでした。2019/02/17