内容説明
田沼意次が失脚し、老中首座となった松平定信は、贅沢を禁じ、彩りと艶のない生活を強制した。影響は出版にも及び、公儀をおもしろおかしく批判する読物を禁じ始めた。出版業を開始し斬新な企画でたちまち頭角を現した蔦屋重三郎が刊行した、朋誠堂喜三二と恋川春町の黄表紙は、定信の今の政を風刺したもので、いつ公儀の咎めを受けてもおかしくなかった。ある寄合の帰り道、頭巾をかぶった浪人らしき男が重三郎に突然、襲いかかった。右脇腹を斬られるもなんとか逃げ延びた重三郎は、剣の達人でもある喜三二とともに犯人探しに挑む。人気作家による書き下ろし新シリーズ、第二弾!
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。1999年、第1回角川春樹小説賞特別賞を「駿府に吹く風」で受賞(刊行に際して『義元謀殺』と改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
97
蔦屋重三郎事件帖「謎の殺し屋」2巻。老中首座になった松平定信 寛政の改革が始まる、蔦屋重三郎さんどのような手腕で切り抜けるのかな楽しみですね、平沢平格(朋誠堂喜三二)と重三郎の命を狙っていた洛東周五郎さん重三郎さんに付けてもらった東洲斎写楽としてどう絡んでくるのか楽しみですね。2018/09/11
ベルるるる
20
1作目から10年が過ぎている。写楽登場。2018/12/03
サケ太
19
一巻から十年後、老中が松平定信となって、贅沢を禁じる生活を強要されていた。朋誠堂喜三二こと、平沢常富も圧力をかけられ、筆を折ることを決意することに。しかし、そんな折蔦屋重三郎が謎の刺客に襲撃を受ける。隠居することになった平沢はそんな蔦屋の護衛をしつつ、ともに謎の刺客を追ってゆく。その正体は、えっと驚いてしまうものだった。相変わらず丁寧で読みやすいが、お話としての進み具合は襲いと感じてしまう。平沢の今後が気になるので、続巻は楽しみだけれども。2018/06/26
雅
17
被害者が探偵役。暖かい人間関係も良かった。2018/12/08
真理そら
17
松平定信が老中首座になったために窮屈な思いを抱えている蔦重他の面々。蔦屋も襲われる。この謎の殺し屋が誰なのか、というのがポイントかな。じっくりゆっくり話を展開させていく予定なのかもしれない。2018/06/21