出版社内容情報
白洲次郎の妻にして伯爵令嬢・韋駄天のお正が語る自立とエレガンス。
内容説明
「美」というものはたった一つしかなく、いつでも新しくいつでも古いのです―。古典を愛し、深い知性と豊かな感性で美の本質を見つめた白洲正子。「たしなみについて(抄)」「新しい女性のために」「智恵というもの」ほか、成熟とエレガンスの真髄にふれるエッセイと、東京・鶴川で過ごした幸福な日々を綴る「鶴川日記(抄)」を収録。初めての文庫化。
目次
1 美しくなるにつれて若くなる(たしなみについて(抄))
2 成熟について(新しい女性のために;智恵というもの;進歩ということ;お祈り;創造の意味)
3 生き甲斐について(鶴川日記(抄))
著者等紹介
白洲正子[シラスマサコ]
1910年、樺山伯爵家の次女として東京に生まれる。幼い頃より能を学び、14歳で女性として初めて能舞台に立つ。その後渡米。1928年に帰国し、翌年白洲次郎と結婚。古典文学、工芸、骨董、自然などについて執筆した。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
43
なんと厳しく自分を叱咤し続けた人であろうか。凛とした美しい佇まいが目に浮かぶようだ。人間の長所に触れた文章の中で、「玉は磨かねば光らない」ということはよく言われるが、白洲さんはもっと突きつめ、「玉を持っていると自覚してそれで安心していたのでは、一日たりとも、今度は玉の方が人をゆるさなくなります」と書いている。この人は生涯自分を磨く手を緩めなかったのだろう。心に刺さる言葉が多いのでこの本をバイブルのようにしたくもなるが、寄りかかりすぎず自分の頭で思考することを続けねばとも思う。2018/05/04
かんちゃん
22
伯爵家に生まれ、幼くして能を学び、政財界のお歴々と親しく付き合う。自らを世間知らずの「テリア」と呼び、奔放に生きた。当時としてはとても特異な育ち方をした女性には違いない。しかし、見方を変えれば、物質的に恵まれ、高等教育を施され、自由気ままに生きているのは戦後生まれの我々とて同じことだ。個性の強い考え方は必ずしも全てに賛同できるわけではないが、歳を重ねても張りを失わず、我を通すだけの気迫を持つ強さは大したものだ。まさにこれこそが、彼女の美しさであり若さなのだ。2018/04/06
ポメ子
7
この作者の本は、過去に2冊ほど読み、読みやすいとは、思わなかったが、今回のは、私には更に読みにくかった。作者が住んでいた鶴川の事について記した鶴川日記は、興味深かった。2019/06/20
すみ子
2
本の題名が素晴らしかったので購入したのだが、これは編集した人がつけたものらしくてがっかり。本編は白洲正子氏の作品集からへ編集された小品なので一冊の本としては一貫したテーマがあるわけではないのでそうしたものを求めている人は注意。2021/01/22
よし
2
前半の「たしなみについて」は著者から女性へのメッセージの形で、教養、文化、幸福などについて歯に衣着せぬ物言いが貫かれています。現代の徒然草でしょうか。後半の鴨川日記は鴨川に住まいを移した著者の戦前・戦中・戦後を描いたもので、広い交友関係や東京の田舎の様子がとても興味深く一気に読みました。巻末に略年譜も付いていて、白洲正子さんの入門編にも適しているかもしれません。2018/04/08
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