内容説明
わたしたちは永遠の共犯者。二度と離れることはない―(「Partners in Crime」)。夏祭りの日、少年は少女と町を出る(「Forever Friends」)。難病におかされた少年に起こった奇跡(「美しき余命」)。“交換殺人してみない?”冗談のはずが、事態は思わぬ方向に(「カフカ的」)。苦境の作家の会心作。だが酷似した作品がインターネット上に―(「代償」)。五人のミステリ作家が描く、共犯者たち。驚愕のアンソロジー。
著者等紹介
秋吉理香子[アキヨシリカコ]
兵庫県生まれ。2008年「雪の花」で第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞
芦沢央[アシザワヨウ]
1984年東京都生まれ。2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞
乾くるみ[イヌイクルミ]
1963年静岡県生まれ。98年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し、デビュー
友井羊[トモイヒツジ]
1981年群馬県生まれ。2011年『僕はお父さんを訴えます』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞佳作に入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
189
人気作家さん達5名が描く共犯者達のアンソロジー!芦沢さんだけ初読み。この中で1番お気に入りの作家さんは秋吉理香子さんで期待してましたがどのお話も面白い♪「共犯」がテーマなのでうわー‼︎って感じのものが多いです。秋吉さん「Partners in Crime」は秋吉さんらしくて良かったです!芦沢さん「代償」面白く他の作品も読みたくなりました!乾さん「カフカ的」は怖くて、友井さん「Forever Friends」は青春してて、似鳥さん「美しき余命」は意外な展開でぞわっとして人間の嫌な部分がリアルに感じて印象的。2017/12/24
夢追人009
165
「共犯関係」をテーマにした5人の推理作家による高品質イヤミス・アンソロジー。本書の執筆者は頭とお尻が女性二人で間に男性三人がサンドイッチされていますね。私は友井さんと似鳥さんは初読みでしたがふつふつと興味が湧いて来ましたのでお二人の作品を何時か必ず読もうと思いますね。まあ今時のミステリだからかテーマがそうさせるのか、どれを取っても後味がよくない作品ばかりのイヤミスの王道まっしぐらという感じですね。ストーリーは好きになれないどころか一刻も早く忘れたい話なのですが、本書で一番の衝撃作は「美しき余命」でしたね。2019/01/16
ダイ@2019.11.2~一時休止
133
読んでいる作家さんは3名。芦沢さんが一番よかった。秋吉さんは読んだことなかったけどなかなかよかったんで気になる作家さんですな。2017/10/26
yanae
118
「共犯」をテーマにしたアンソロジー。どれもちょっと暗い雰囲気が漂うお話だったけど、どれもよくできたお話だなぁと様々な「共犯」の世界を楽しみました。個人的にダントツで面白かったのは似鳥さんの作品。すごかった。何度も驚かされました。秋吉さんは、ただただ男性がバカだなぁ…。友井さん、芦沢さんは最後せつなくなりました。犯罪が絡む話だから、どうしても悲しい結果がついてくる。そして、乾さんって、とてつもなく頭がいい方ですね、再実感。とにもかくにもせつないけど話のうまさが際立つ1冊でした。2018/05/16
machi☺︎︎゛
117
共犯関係がテーマのアンソロジー。短編だからサクサク読めるけど、短編さを感じない読み応えのある話ばっかり。共犯といえば悪のイメージだったけど、友井羊さんの話はみんなが相手の事を思うが故の切ない共犯だった。ミステリー要素もあって面白かった!2019/10/01