感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
203
誰もが羨む美男美女を親に持つ主人公。愛情に溢れる家庭に育ち、父親に憧れさえ抱く主人公。突然の父の交通事故死。予感したような父の遺言には一切の弔いは不要と! 私は最後まで読んで、複雑だが感銘を覚えた。端から見たら狂った愛なのかも知れない、いや確実に狂ってるのだろう!周りは本気で諭し説得し間違っていると説く。当然だ。でも当事者達は全く違うパラダイムを持ち、真剣な愛を貫かんとする、例えそれが誰かを傷付けようとも。私はこの結末には同意できない!が、当事者ならば?深く複雑な愛の形、多数の読者に意見を委ねたい‼️🙇2019/01/04
相田うえお
136
★★★☆☆18032 父親と2人で暮らす男子大学生が主人公です。ある日、父が事故で他界してしまいます。葬式,戒名,葬いごと一切不要。書斎の机の中の書類は読まずに捨てて、以降、書斎立入禁止との手紙が。遺品整理のため入室を頑なに禁止されていた父の書斎に入ってみると何か謎めいたものを感じてしまい、父を知る人達から父親の過去を聞いていきます。ひとりの女性と関係があった事実に辿り着き、知れば知るほど違和感が膨らんでしまうのです。という流れの話です。これ、最初は『お葬式』というタイトルだったらしいですけど複雑〜。2018/04/22
ふじさん
98
息子の在が交通事故で亡くなった父親の真の姿を求める「喪の作業」を描いた作品。父親の死の真相を探る中で、一人の女性との哀しく切ない愛の物語が明らかになる。この世界は不条理に満ち溢れているけれども、だからこそ見えてくる人間の真心がある。熾烈な運命にさらされながらも、人間はそこから強く逞しく生きて行く。まさに遠田潤子の追い求めるテーマだ。紆余曲折があり、最後にはすべて洗い流してくれるような希望溢れる結末が待っている。一気に読んでいる行き詰まり感が解消される。読み始めは辛いが、何故か読みたい作家がここにいる。 2022/08/01
ベイマックス
94
ふ~ん…、人が死に過ぎなのと、壊れ過ぎ…かな。まっ、そこで人としてのモロさや、過剰な自己愛を、そして勘違いの独りよがりの醜さを表示しているんだけどね。主人公、在の父親への想いはファザコンというより何だか不自然だったかな。娘なら分からなくもないけど。◎在の友人の高丘の言葉、『愛のない家庭がどれだけ惨めで苦しいか、想像するんだ。想像したら、今度はそれを百倍しろ。それでなんとか正解だ』(P243)。他人の苦しさや悲しみを思いやるには、自分の中の感情なんて足りないんだろうな。百倍して、少し分かり合えるのかも。2021/09/27
machi☺︎︎゛
87
父子家庭で育ってきた大学生の在は交通事故で唯一の肉親を亡くしてしまう。ファザコンと言われるくらい父親の事が好きだった在は父親の死後、「弔いごと一切不要」の遺言に戸惑いを隠せない。そして遺品整理を始めた在は書斎で自分の名が入った母子手帳を見つける。ただ母親の欄には在の知らない名前が書いてあった。父親が弔いごと一切不要とまでして隠したかった事とは。父親に振り回されながらも最後は希望のみえる終わり方で良かったけど、遠田潤子さんならもっと暗い展開を期待してしまった。2024/05/17
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