出版社内容情報
叶竜太郎はある男を追って港町N市に来た。この街にある酒場『ブラディ・ドール』のホステスと、追っている男が繋がっているという情報を掴み、叶は店の扉を開けた。店内では、十五年前に突如姿を消したピアニストの沢村明敏が演奏をしていた。ピアノの音色は歳月を経て、錆びが浮いたような味わいのある演奏になっていた――。叶が追っている人物とはいったい誰か!?そして意外な人物が叶の前に立ちはだかる――。大人気シリーズ第五弾!!
内容説明
叶竜太郎はある男を追って港町N市に来た。この街にある酒場『ブラディ・ドール』のホステスと、追っている男が繋がっているという情報を掴み、叶は店の扉を開けた。店内では、十五年前に突如姿を消したピアニストの沢村明敏が演奏をしていた。ピアノの音色は歳月を経て、錆びが浮いたような味わいのある演奏になっていた――。叶が追っている人物とはいったい誰か!?そして意外な人物が叶の前に立ちはだかる――。大人気シリーズ第五弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
162
川中の登場は控えめ。叶竜太郎なる者が今作の主役。今までのおさらいを含めた構成か。N市の町並みを紹介しつつ、藤木、坂井、秋山等の出番が多い。そして、キドニーが今作の準主役。キドニー、川中とは違う渋さがある。それにしても、北方謙三が描く男達は渋くて格好よく、いい錆が出ているのだ。N市は、北方水滸伝で言うところの梁山泊になってくるのか。一人そしてまた一人とN市に住みつく。だが、その渋い男達を、なぜか女が守り死んでいく。女性陣の生き様も美しい。ああ、俺も錆びついてるのでなくて、錆が出てくる男でありたい。2024/02/24
KAZOO
112
シリーズ第5巻の話し手は東京から来た殺し屋です。あまりクールな感じはしないけっこう話好きのような感じです。いつものバーにいるピアニストや皮肉屋の弁護士とも仲良くなったり、ホテルのオーナー家族とも仲良くなったりして人付き合いがいいのでしょう。いつものように最後は若い女性が死んでしまいますが、この本人はどうなるのでしょうかね。N市に居つくのでしょうか?2018/08/09
フク
10
#読了 主人公はある男を追ってN市にやってきた、N市に向いている男。 〈男は、ただ錆びていく〉 図書館2023/08/15
サン
9
ブラディ・ドールシリーズ5巻。今回は殺し屋叶の視点。叶はおしゃべりなんだけれど、言うセリフがいい。キドニーと仲良くしてくれる人も貴重。このシリーズは再読だけれど、何年たっても忘れられないシーンやセリフがある。2017/08/17
SAKU
2
相変わらずハードボイルド。今回はある男を探す探偵が主役。川中をはじめ、いつものメンツのほか、ピアニストもいい渋さを醸し出してる。読んでいるだけで、酒臭く、タバコ臭く、女の香水臭くなってくるのは、流石としかいいようがない。所々、喧嘩や小競り合いがあるが、全体的にはおとなしめな感じか。あとお決まりのごとく、女は死んだ。2023/06/30