内容説明
町を歩くチンドン屋のシゲさんが吹くサキソフォンの音色に惹かれ、彼についていった僕。シゲさんは僕に、“あきらめないこと”の大切さを教えてくれた。ある日、町で殺人事件が起きて…(「天の川の預かりもの」より)。その他、アクの強い両親のもと犬を飼い始めた少年、柔道部での上下関係に揉まれる少年…大人の世界の理不尽にさらされながらもひたむきに生きる、ピュアな彼らの成長を描く。昭和の香り漂う懐かしい時代の風景から予想外の展開が待ち受ける、書き下ろし連作小説。
著者等紹介
深水黎一郎[フカミレイイチロウ]
1963年山形県生まれ。慶應義塾大学文学研究科後期博士課程修了。2007年『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞を受賞しデビュー。同作は『最後のトリック』と改題文庫化され、ベストセラーとなる。10年『花窗玻璃』で本格ミステリ大賞候補、11年「人間の尊厳と八〇〇メートル」で日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。14年『大〓見(おおべしみ)警部の事件簿』で再び本格ミステリ大賞候補、15年『ミステリー・アリーナ』で本格ミステリ・ベスト10第1位を獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
131
まさにタイトルどおりの話の連作短編!昭和を感じる作品に仕上がってます。どの話も好きでしたね。どの話もちょっと切ないけど、『鎧袖一触』の話が特に良く、ページをめくる手が止まりませんでした。エピローグで、なるほどとなる展開で読了後は、不思議要素が含んだ心が温まる気持ちになりました(^^)ただ作品に期待しすぎてハードルをあげてしまったようで、伏線の回収はちょっと雑な感じがして、泣けるとまではいきませんでした。BGMは井上陽水といきたいところですが、井上陽水のCDが、家にないので村下孝蔵があうかな(笑)2017/08/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
97
短編集?。ミステリーはエピローグ以降でうっすらって感じの青春モノ。第三章は三五十五を思い出す・・・。2017/04/01
あん
72
少年達が大人の世界の理不尽さに揉まれながら成長していく連作集。チンドン屋を見たことはないけれど、スピッツは隣のお家で飼っていたし、昭和から平成にかけて、部活の上下関係には苦労させられました。昭和の香りが漂う、少し懐かしい時代の風景が目に浮かび、あっという間に読了しました。読んでいる最中に脳内再生されたのは、井上陽水さんの『少年時代』でした(笑)2017/09/23
ポチ
58
子供の頃、チンドン屋の後について歩いたなぁ。スピッツに似た犬を飼っていたなぁ。柔道はやらなかったけど…。昭和の懐かしい匂いを感じながら読み進め、エピローグで “おっ!うんうん、そうか〜♪ ”っとなりました。読後感の良い作品です。2018/07/16
三代目けんこと
31
その構成に驚いた。2022/07/01