内容説明
風見菜緒は文芸編集者でシングルマザー。ある朝、長くスランプに陥っていた作家の久米武人から電話で起こされた。京都在住の久米は、東寺の縁日で面白い茶碗を見つけたという。早速京都へ飛んだ菜緒と久米は、継ぎはぎだらけの茶碗と謎の書き付けを手に入れた。久米はその書き付けを元に小説を書くことになったが、なかなか進まず、痺を切らした菜緒が訪問した久米宅で見たものとは…。“茶碗”が過去と現在の男と女を結ぶ、待望の書き下ろしミステリー。驚愕のラストが待ち受けています。
著者等紹介
鏑木蓮[カブラギレン]
1961年、京都市生まれ。塾講師、教材出版社・広告代理店勤務などを経て、1992年、コピーライターとして独立する。2004年、第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、短編ミステリー「黒い鶴」で受賞する。2006年、『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
99
DVがメインテーマ?。よく知らなかったけど茶碗継ぎって今でもあるのかなぁ?2017/04/02
yanae
75
鏑木さん初読みです。お気に入りさんが読んでいて、タイトルに惹かれて手に取りました。とても面白かったんですが、読んでる間中、二時間ドラマの画が頭に浮かんで浮かんで!京都が舞台、女性編集者が主人公っていうのもあるかもですが。茶碗の書き付けにかかれていた江戸時代のとある物語。スランプに陥っていた作家と主人公の編集者がその物語を読みといていくと、とある真実が…!物語の随所にDVが関わってくるのと、主人公の子供が引きこもりになる描写は胸が痛む。子供には希望を見いだしてほしい。働く母の難しさはまさしく共感。2018/01/26
papako
66
読書で帰省第二段。京都在住の作家久米、なかなか新作が書けない。骨董の茶碗の書き付けから着想を得て新作を書き始める。書き付けの物語の真相、久米夫妻の秘密、編集者菜緒と息子一樹の関係の三点を軸に話が進む。三点がかなしいDVでつながっていると見せかけたラストはお見事。DVによって歪められた精神はなかなか修復されることはない。一樹が無事に成長できることを祈りたい。だけど、ちょっと文章と菜緒が苦手だったな。2020/05/12
きさらぎ
51
暗号の解読にかなりのページを費やしてるのだが、そこの部分が面白くない。(わかりにくすぎる) 子供の問題も解決してないし、元凶の元夫のことはあの状態のまま?香怜の言動も問題アリアリだし・・・いろんなことが中途半端だった。2017/10/08
momi
50
作家が京都・東寺の縁日で見つけた茶碗と謎の書き付け…小説の題材にするために手に入れたがー。茶碗にまつわる過去の秘められた恋。江戸と現在を結ぶミステリー!う〜ん。算術の話や鼓の解説はサラッと読み流してしまった。そこのところは読みにくいし長い。ただ茶碗一つで過去と現在を結びつけたこの展開はスゴイ。ただ驚きはしなかったけど。本当にDV男は最低!自分の思い通りにならないからと言って女子供に手を出すやつはカス以下です!人を追い詰めることが、自分も、そして誰ひとりとして幸せにならないことが分からないのかしら…頭悪ッ!2017/03/31