内容説明
日本刀ほど、実用性と美を兼ね備えたものは世界にも稀である。霊性さえ備えた名刀に興味を惹かれる入り口は多々あるが、その初手として優れた書き手の短篇小説はいかがだろうか。傑出した刀剣は、実用性と美のみならず、読み手の心を掴む物語も帯びているのだ―。苛烈な父によって鎧作りに邁進していた虎次郎が、刀工として名を成すに至るまでを描いた柴田錬三郎「虎徹」。海音寺潮五郎が呪われた剣の真実を探った「村正」を始めとして、東郷隆「試し胴」、赤江瀑「艶刀記」、澤田ふじ子「贋の正宗」、山田風太郎「ガリヴァー忍法島」の六篇を収録。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年、埼玉県生まれ。文芸評論家。書店員を経て、時代小説・ミステリーを中心に、SFやライトノベル、コミックなども含むエンタテインメント全般を、幅広く論じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
27
6人の作家によるアンソロジー。なかで異彩を放っているのが山田風太郎「ガリヴァー忍法島」。赤穂藩浅野内匠頭一行は江戸出府の途次、同じ江戸参府のオランダ・カピタン一行と出会う。まもなく熱田神宮に奉納されている神剣が奪われたことを知った堀部安兵衛はカピタン一行を追う。ガリヴァーや海賊ウィリアム・キッドも登場。そこに三人の比丘尼くのいちも絡んで奇想天外、抱腹絶倒の一編で、山風先生すごいわ。2022/02/22
海星梨
7
図書館片っ端から。ということで、二巻目も借りてきました。最後から二つ目、来歴書いただけのレポートみたい。。。最後のは賛否分かれてるけど、小説なんだからこれくらいの方が面白くていいと思う。ちなみに面影さんはサブスク課金の富士札から天井でお迎えしたり。2025/05/05
紫
3
刀剣テーマの短編アンソロジー第二弾、全6編収録。試し切りの顛末、戦後の混乱で失った刀の行方、贋作の犯人探しと、趣向はさまざまですが、第一弾に比較すると作中の刀剣の扱いは全体にいま一つ。巻末「ガリバー忍法島」は、日本へやってきた海賊キッドをガリバーと堀部安兵衛が追いかけるという凄いプロット。「虎徹」「村正」の2編は、史伝といおうか、史談といおうか、それぞれの刀工と作刀にまつわるエピソードを読み物調にまとめたもの。刀剣テーマというくくりの難しさを考えさせられます。星3つ。 2016/03/02
あきのぶ
2
風太郎さんは賛否別れるわな。好きだけど。2022/04/25
Berlin1888
2
刀剣テーマのアンソロジーその2。一巻に比べてユーザー登録数がえらい違うのはどうしたことでしょう? 収録作は全体に一巻に比べて小粒の感は否めず、そんな中でも印象深いのは占領時代の刀狩りを題材にした『艶刀忌』。関心はあるんですが、なかなか紹介している書籍がないんだよね。別の意味で悪目立ちしてしまったのは巻末の『ガリバー忍法島』。それは刀の話題は出てきますが、刀剣テーマのアンソロジーにこれを入れますか? 忍法バトルだよ。何でまた選者はこれをセレクトしたのか……めぼしい短編がなかったのかもね。2017/11/24




