内容説明
浅草の一膳飯屋『樽屋』の板前である孝助は、実家の名点『なみ川』が取り潰された真相を探るべく、悪評高い蝮の文蔵の下っ引きとして働く日々を送っていた。米酢を使った「握りずし」が、『華屋』で考案されてからまもなく、市太郎のすし屋台で、コハダずしを食べた旗本らが何人も亡くなった。文蔵はトリカブトが使われたと推理するが、やがて奉行所に入牢している錠前破りの名人・虎一を出せとの投文が届く。浅草一円の食い物屋を脅す賊の狙いとは。孝助は浪人・越野十郎太と、毒の遣い手を追うが、武士とコハダには奇妙な因縁があった―。江戸の美食と、それに潜む謎を推理する捕物帖。大好評第二弾の登場!!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
112
浅草料理捕物帖「市太郎ずし」2巻。孝助さんの板前としての腕前は披露されないけど、岡っ引きの手下よりも親分の貫禄ですね。2016/04/04
rokoroko
20
料理の本かと思ったら捕物ものだった。寝床にもって言って読んでたらお寿司食べたくなって回る寿司行った。2024/03/04
ぽんすけ
15
1巻でがっつり料理物と思い購入したらめっちゃ肩透かし食らった作品の2巻。でも捕り物としては悪くなかった。今回は江戸前の寿司の誕生秘話?を織り交ぜていて、寿司にマグロを使うようになった話とかの小噺もあって1巻より題名詐欺の感は薄れた。今回も主人公の孝助と浪人十郎太コンビの推理が冴えている。孝助は、親分の文蔵や意地悪ばっかり言ってくる先輩下っ引き亮吉より、よっぽど洞察力があるし人間もできてる。十郎太の本質を捉える推理力と孝助の丁寧な捜査力があれば10年前の事件の真相にもきっとたどり着けるはず。次巻も注文決定2021/06/11
izw
15
浅草料理捕物帖シリーズ第2巻。捕物としての内容がよいし、江戸時代にはい猫も跨ぐといわれた下魚のマグロを使った寿司を工夫し、鉄火巻きが生まれた経緯をストーリーに組み込んだところが秀逸。孝助の推理力が他から浮きすぎるくらいスーパーなのが気になるのと、板前の腕が分からないのが惜しい。2016/08/11
ううち
15
主役は一膳飯屋の板前という設定で、屋台のお寿司屋さんも出てきますが、捕物メインのシリーズ。使命を果たすべく下っ引きとして働いているのだけど、親分の文蔵とその仲間たちがクズすぎて、はやくギャフンと言わしてやりたい!鉄火巻きの由来やコハダのウンチクが面白かったです。孝助の板前としての腕前披露がもっとあったらなぁと思います。2016/05/17
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