内容説明
日本橋本町の薬種問屋柏屋の奥で、裕福な商人相手に先見(占い)をして暮らす藍治郎は、容姿に優れながらも、奉公人である仙助以外そばに置かず、人とかかわろうとしない。そんな彼のもとに、なにやら厄介な客がやってきた。久右衛門と名乗る男は、藍治郎の力を訝しんでいるらしく、繰り返すのは持って回った質問ばかり。そんな久右衛門が家族関係で懊悩していることを見抜いた藍治郎は―。他人が考えていることや感じていることを見ることができる才を持つ藍治郎が、壊れそうな人々の心を救う。優しき連作時代短篇。
著者等紹介
篠原景[シノハラケイ]
1980年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了。2013年、『柳うら屋奇々怪々譚』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
17
日本橋本町の薬種問屋の奉公人仙助は、薬種への関心は高いものの奉公には向いておらず、店の奥で裕福な商人相手に先見(占い)をしている主人の弟で変わり者、藍治郎から声を掛けられ、それを手伝うことに。 先見と言いながら、藍治郎には人の思いが見える(!)のみで、そこから望んでいることや危惧していることを言い当てているが、新規の客、茶葉問屋の主人久右衛門はその力を訝しんでいるよう。冷や冷やの藍治郎だったが、街で悩んでいる様子の久右衛門の養子を連れ帰ったことから…。 思わぬ拾いものだが、2巻目だそう。早々に初巻も!2022/06/28
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