内容説明
士分を捨てるか、妹を売るか。どちらかを選ばねばならぬ。豊岡民之助は、妹の久実とともに、庭の畑で茄子の取入れをしていた。両親を相次いで亡くした、ふたりきりの家族。収穫の喜びは、何にも代え難い。だが彼らは、父が遺した莫大な借財によって窮地に立っていた。民之助は返済の相談のため、札差高田屋を訪れるが…。日々の労苦に凛と立ち向かう武家の兄妹。高田屋の若旦那・新五郎がふたりに持ちかけた「生きる道」とは。情味溢れる書き下ろし長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
衛兵
17
父親の残した借金に苦しむ民之助、父親が病にかかるも故郷へ帰ろうとしない宇吉郎。札差の若旦那、新五郎は二人の問題に首を突っ込む形となるが…シリーズ2冊目。前作と同様、読後スッキリな時代小説でした。ただし、タイトルはちょっと疑問符を付けざるをえないところ。2018/08/06
ひさか
3
2015年6月刊。文庫書下ろし。シリーズ2作め。前作に続き高田屋の若旦那の新五郎の人情話。「小洒落た」と言う最近の造語が用いられていて、違和感を感じてしまいました。お鶴との行く末が、気にかかります。2015/08/06
ぺしみち
2
元兄嫁がいい。2016/02/17
snowflake
1
この時ふと新五郎は、お鶴と茶店で饅頭を食べたことを思い出した。あの時も楽しかった。ただ楽しさの中身が違う。 どこがどう違うのか、考えてみようとした。けれどもそれは、千郷に失礼だと感じた。2023/05/30
つめ
0
1巻目が充実してたので、2巻目の本作はスカスカに感じた。小さな話を引き延ばして1冊にした感じ。2019/01/19