内容説明
二十一歳で「太平洋の架け橋になりたい」と大志を抱いた新渡戸稲造。その言葉どおり、国際人としての道を歩んだ彼は、留学中に妻や恩師から投げかけられた「日本人は、道徳をどう学んでいるのか?」との問いに応え、『武士道』を著した。本書は、日本的思考の根源となる「義」「仁」「礼」などの武士道精神を、欧米人にも理解しやすいよう論理的に著した本質的な記述を柱に、より読みやすく再編集。強く賢く生きる知恵が詰まった、世界的名著。
目次
道徳体系としての武士道
武士道の淵源
義
勇・敢為堅忍の精神
仁・惻隠の心
礼
誠
名誉
忠義
武士の教育および訓練
克己
自殺および復仇の制度
刀・武士の魂
婦人の教育および地位
武士道の感化
武士道はなお生くるか
武士道の将来
著者等紹介
新渡戸稲造[ニトベイナゾウ]
1862年、盛岡藩士三男として誕生。札幌農学校在学中に受洗。「我、太平洋の橋とならん」と志し、米、独に留学。メリー・エルキントンと国際結婚。教育者、国際人として目覚ましい活躍を見せる。その間、日本の道徳教育についての考えを『武士道』として英文で出版。1920年、国際連盟事務局次長に就任。退任後も日本と世界の平和のために尽力した。1933年、カナダで客死(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
65
AD1900年、新渡戸稲造により世界的視野で見るサムライというテーマで考察された研究書。全般にキリスト教的な論旨の帰結というコンプライアンスが強かったのですが、当時、日露戦争を控えた日本について新渡戸自身による肌で感じた感想を著した本でもあったのでしょう。日本のサムライ文化について興味がおありならお勧めします。面白かったですね。2021/08/24
ykmmr (^_^)
64
実はキリスト教信者の作者。師として、さらに上を行くキリスト教崇拝者で、日露戦争反対者の内村鑑三がいて、名前の記載がある。そんな作者が、信者からの視点で、日本人としての『哲学』を説いている。キリシタンでありながら、純粋な日本人。そんな彼が、日露戦争のご時世や日本の『サムライ文化』について、両方を上手く駆け引きしながら、伝えようとしている。内容はシンプルではあるものの、理解・昇華は階段が一段上がる。読解力・時代知識、さらに考察力を上げて、挑戦あれ。2021/09/03
きいろ
21
武士道。礼・義など道徳は武士だけでなく日本人全員が持っている(身についている)こと。武士道と騎士道は相通ずるものがあるということに納得。強い人ほど優しいってのと同じ感じかも。2015/08/08
しーふぉ
12
武士の教育で1番重視されたのは品性を保つこと、知識などは付属物に過ぎなかった。現代の教育でそのまま再現するのは無理だとしても、やはり道徳教育を大事にしていくべきだと思う。2015/03/22
さり
9
読みづらい2023/11/01