内容説明
立場茶屋おりきの常連客・吉野屋幸右衛門は、三十年ぶりに腹違いの弟・勝彦と深川で再会を果たした。しかしながら、勝彦は肝の臓を病み死の床についていた。素庵の診療所に通いながら必死に看病する幸右衛門。そんな彼を「おりき」では身体に優しく美味しい料理などであたたかくもてなすのだが…(「掌の月」より)。他に「指切り」「紅葉の舟」「冬惑ひ」の全四篇を収録。悲しみを背負った人々を、深い愛情で温かく包みこむおりきが大活躍する、大人気書き下ろしシリーズ第十九弾、ますます絶好調。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと 玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
110
立場茶屋おりき「指切り」19巻。今井作品で一番好きなシリーズ、おりきさんの人を愛情こもった温かい配慮行動、目頭が熱くなりますね~、江戸の言葉?が面白く好きです、次巻も楽しみ。2014/12/11
Walhalla
36
『立場茶屋おりき』シリーズの19作目です。今回は、物語の進展は少しお休みといったところでしょうか。これまでの回想シーンと、その後談が多かったように思います。さて、シリーズもそろそろ終盤に差し掛かってきました。周囲の人々もそうですが、女将おりきさん自身のこの先が気になりますね。次作も楽しみです。2020/08/24
はにこ
34
おまき、今回も大変だったねぇ。立場茶屋を離れてもおまきに色々なことが起こるのは作者のお気に入りキャラなのかな。幾富士はなーんかねぇ、可哀想。幾千代がむっとするのも分かるわ。芸者をいったい何だと思っているんだい?おりきさん、大人の都合に振り回されないように悠基をしっかり守って下さいね。2022/01/10
ううち
20
前巻を読んでからだいぶ経っているので心配だったけど、回想シーンが(かなり)多くてついて行けた。おりきさんが相変わらずいい人すぎてどうかと思うのだけど、彼女に褒められたらすごく嬉しいだろうな。おまきさんのところがうまくいっているようでホッとしました。幾富士さんはどうするのか。そろそろおりきさんに何らかの変化を期待したいところです。2015/11/19
ドナルド@灯れ松明の火
17
テーマが出つくした感があり、あすなろ園の子供たち、年老いた人が亡くなっていく、巳之吉の料理に進化あたりで回していくのか。2020/09/30