内容説明
水無月、品川の河童祭を明日に控え、「立場茶屋おりき」の茶立女たちは席の暖まる暇もない。新入りの百世が心配で堪らない岡っ引きの亀蔵親分は、毎日茶屋に顔を出し、女将のおりきに呆れられる始末。そんなある日、おりきは医師の内藤素庵から「彦蕎麦」のおたえが病に伏していることを聞く。娘のおきわが必死で看病していると知り、ふたりの力になりたいと思うおりき。だが、おきわの想いは複雑で―。温かなもてなしと最高の料理が自慢の「立場茶屋おりき」で、懸命に支え合い生きる人々の愛おしい人生模様を描く、感動のシリーズ第十五弾。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと 玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
60
立場茶屋おりき「極楽日和」15巻。今回は彦蕎麦のおきわさん、春次のもとへ行ったおまきさん、あすなろ園で手伝いをしていたさっきさんととめ婆さん、茶屋で働くおみのさんと島帰りのあに才蔵を中心に、立場茶屋おりきで働く家族がお互い助けあったり、励ましたりと温かさが全編に感じられた良いお話でした。2014/07/01
Walhalla
39
『立場茶屋おりき』シリーズの15作目です。毎々、いろんな出来事が起きる作品ですが、今回はちょっといい話が多かったですね。時々、誤解されがちなとめ婆さんですが、立場茶屋おりきになくてはならない存在ですよね。次作も楽しみです。2020/07/27
はにこ
30
今回は病気、怪我で話が動き始めた。まだまだ幼いおいねちゃんの気丈な姿、我慢強いおまき、口は悪いが本当は優しいとめ婆さんに心を打たれた。今後、春次の元嫁お廉、おみのの兄、才造辺りが何かやらかさないことを祈る。2021/09/15
myunclek
26
様々な事情を持ちながら懸命に生きる人たちが集う立場茶屋おりき。久しぶりにおりきに会ったと思ったらシリーズ15弾。話はずっと先に進んでるんですね。大家族の太い絆が、涙を誘う。大きな波が来た所で、美味しそうな料理の説明が入るのが玉に瑕だけどそれも一興か^o^2016/01/13
ドナルド@灯れ松明の火
17
おたえが病に伏していることが発覚するが医院への入所を拒みおきわ達と一緒に暮らし死ぬことを望んだ。次から次へと人が亡くなる。さつきがおたえの貯めた金で身請けされ洗濯女として戻ってくる。少し人情話中心にシフトしてきたのかな。2020/09/24