内容説明
珍種のアリを求めて瀧埜上村仮巣地区を訪れた昆虫学者の山上一郎と妻・和子。医師免許を持つ和子は、医者のいない仮巣地区の人々を健康診断したいと申し出るのだが、必要ないと冷たくあしらわれてしまい、その異様な雰囲気に戸惑っていた。そんなある晩、一郎は住民から絶対に踏み入れてはいけないと言われていた社に向かった。そして、そのまま行方不明に。村に秘められたしきたりが露見するとき、新たな禁断の恋が始まる…。和製ホラー×禁断のラブストーリー。
著者等紹介
乾ルカ[イヌイルカ]
1970年北海道生まれ。2006年『夏光』で第86回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。著書に『あの日にかえりたい』(第143回直木賞候補)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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H!deking
88
あれ、普通に面白かったですよ!って言うか、買った覚えがないからオフ会とかでもらったのかなー。飲み過ぎたせいか記憶がwめっちゃ面白かったです。ラストはちょっとありがちな感じだったけど、余韻がいい感じです。映画化したら面白そう!2019/04/09
いたろう
68
僻地である瀧埜上村の、その更に奥、車では行けない山奥の集落、仮巣地区で隠されてきた秘密。昭和37年、昆虫学者である夫の研究のため、一時的に仮巣地区に住むことになった夫婦が見てしまったものとは? この地で、一体何が行われてきたのか。著者は、ハートウォーミングなファンタジーを書く作家というイメージがあったが、そう言えば、長編1作めの「プロメテウスの涙」は、かなりのインパクトを持ったホラーサスペンスだった。本作は、それに続く長編第2作め。著者の小説は、ライトな作品もいいが、原点であるホラー作品が、より興味深い。2020/04/17
ちょこまーぶる
68
読後は小さな声で「怖っ」とつぶやいた一冊でした。読み始めは、イマイチページを捲るのが遅かったですが、途中から早くなりました。閉鎖された村に秘められた悪魔のようなしきたりを探ろうと思って捕らわれる夫婦から始まって3代にわたっての話なんですが、そのしきたりたるや覚悟を持っていないと本を閉じてしまう人もいるのではないかと思うほどの不気味さでした。でも、読み終えると人を愛する力のようなものを感じることもできたと思いますね。で、エンディングで「えっ・・・」って感じでした。中身の無いレビューですが、小さな怖っでした。2019/12/12
takaC
60
進化続く。2014/03/10
BlueBerry
59
グリーンマイルとゆー映画で囚人が病を吸い取る場面があったのですがそれが直ぐに思い浮かびました。ストーリーの方は基本的には病んだ村の者を助けるためにはよそ者は殺してもかまわないとゆー呪われた村の話ですね。禍々しい部分もあるので気持ち良く読み進められわけではないけれど結構引きこまれたと思います。ラストは救われる感じで良かったかな。序盤○中盤△ラスト○2014/04/15