内容説明
世界放浪の旅から帰国早々、バックパッカーの溜まり場・高円寺で飲んでいたはずが隣街の阿佐ヶ谷で目覚めた蔵川楽観。財布を失くし無一文の彼は、無料クーポンつきのビラに誘われ「バー・ラプソディ」にたどり着く。自称・天才発明家の老マスターに誘われ住み込みで働くうち、街の再開発に反対する風変わりな常連たちとの間に奇妙な連帯感が生まれ…。
著者等紹介
又井健太[マタイケンタ]
1979年北海道生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。大手映像関連企業を10ヶ月で退社後、テレビドラマのAD、バーテンダー、アダルトビデオ制作、ホストなど20種近くの職業を経験。学生時代も含め、渡航したことのある国は47ヶ国におよぶ。2011年、全選考委員の圧倒的な支持を得て第3回角川春樹小説賞を受賞した『新小岩パラダイス』にて小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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しんごろ
108
簡単に言えば阿佐ヶ谷の再開発に反対するバー・ラブソディの仲間たちの話!第1章、第2章とラストシーンで思わずウルウルッと感激してしまい、こういう話が続くのかと思ったら、第3章以降、あれあれあれっと話の展開が変わり、パラレルワールドも炸裂した力技のラストでしたね(^^;)確かにパラレルワールド的な伏線はありました。この作品は好みがはっきり分かれそうですね。自分的には又井健太さんの作品と波長があうのか、面白かったです(^-^)BGMには、もうジャニス・ジョップリンで決まりです(^^)2017/03/10
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
59
阿佐ヶ谷に出かけた際に見かけたので買ってしまったご当地小説。キャラの設定も面白そうだったし、スタートは良さそうな感じだったのに、盛り上がらなかったのは何故?主人公の楽観君、長い間のヒッピー生活で、酒飲んで身ぐるみ剥がれて無一文ってキャラなのに、なぜか行動が優等生?? 素材は良さそうなのに、全然面白くない。残念でした~。★2013/03/02
たぬ
29
☆4 いいね。無害な変人ならいくらでも出会いたいわ。町を盛り上げるために住民みんなでいろいろやってみる構図もすごく好き。読みながら私も地域コミュニティに参加したいと何度思ったことか。個性派揃いの主要キャラの中でも川島が言うことはちょいちょい刺さったなあ。2022/07/11
sken
8
う〜ん。青春ものとファンタジーが上手く溶け込まないでそのまんま放り出されてしまったような感じを受けましたぃ。それなりに楽しく読むことはできたんですが、できればどっちかにして欲しかったというのが本音です。マルチ商法やオーディション詐欺、地域の再開発や原発再稼働の問題とか、一つ一つ突っ込んでいくだけで面白そうなことを、後半になってドラえもんの秘密道具じゃないけど、なんかすごくあっさりと適当に解決してしまって、なんだか拍子抜けしました。さらに小説中小説の体裁をとった意味もあんまり分からなくて、とにかく残念!2013/04/03
KJ
7
読んでいて自然と涙がこぼれた。人知れず人の為に頑張る人にサプライズで感謝の気持ちを伝える。何とも心が温かくなる光景だ。後向きな人間が自ら動く事でそれが認められ自信を獲得し前向きに歩み出すのもまた良い。音楽、酒、小物、風景。それらの描写を通して人間の感情を象っていく。直接的な言葉で表現するより的確に深く伝わる事もある。これぞ小説の醍醐味だ。ただ唐突なSFの様に中途半端な技巧は不快なだけでなく焦点がぼやけて伝えたい想いの邪魔にもなる。折角一部で強烈な光を放っていただけに、後半にかけての失速感が残念でならない。2018/10/11




