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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
66
近現代日本の思想家、作家、政治家あわせて13人(保守主義者に限らない)の評伝。手放しで礼讃されているのは福沢諭吉、夏目漱石、坂口安吾、福田恆存くらいで、なかには相当に辛辣な評価が下されている人物も。断章取義と言っては完全に言いすぎだが、それにしても著者が自分のほうに引きつけて解釈しすぎのきらいがある(例えば『堕落論』の「生きよ堕ちよ」が「死を思え、そして歴史の運命を愛せよ」などと翻訳されていたり)。つまり西部思想については理解が深まるが、河合栄治郎や和辻哲郎や吉本隆明については、結局よく分からないかも。2025/06/08
nbhd
13
自分出し杉で保守思想の系譜を学べるような本じゃなかった。ひとまわり勉強すれば読める本かもしれないけど、その予定はない。2016/10/14
ドクターK(仮)
5
我が国において、「進歩的知識人」や現状追認型としての「リアリスト」などによって誤解、曲解されてきた知識人たちの思想を、正統な保守の立場から読み解き、論じていく。安直な理想やイデオロギーに飛びつかず、かといって理想なき現実に甘んじることもない、別の言い方をすれば「熱狂しながらも冷めている」ような精神の平衡を著者は重要視し、そうした平衡術を自らの著作や生き方で示した知識人を高く評価している。その一方で、自己や社会に対する懐疑を忘れ、矛盾や葛藤を進んで引き受けない者に対する著者批判は手厳しい。2018/02/16
榊宏
5
近代日本の思想家13人の論評であるが、それを通して西部邁自身の思想を表している。確かに自身の思想を押し出しすぎる嫌いはあるが、その人物の複雑な相貌を単純化することなく複雑なまま、しかし矛盾することなく包括した全体像を提示するその解釈は、卓越していると思う。そのことからもわかる通り、彼の思想は、彼の言葉でいえばインテグリティー、つまり、統合性、一貫性があり、故に誠実性を持っている。彼の国家主義的で反動的な思想に必ずしも賛同できないにもかかわらず、彼の言葉を求めずにはいられないのは、そのためだと思う。2014/03/08
ぽん教授(非実在系)
3
著者なりの見方で福沢諭吉から福田恒存までの保守思想を考察するもの。いろんな分野にまたがり、特に自分の弱い文学論はそうなのかとしか読めずに教養不足を感じた。一方で、吉野作蔵から吉本隆明までのあたりにはなかなかに辛辣なことを言ってて興味深い。自分の考えを深く見据えることが出来れば、教科書にも載る過去の大知識人相手にここまで言えるようになるのだろうか。2013/05/08