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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
325
まさに群さんの本領発揮、的な作品。年取ってからの都内でのアパートひとり暮らし、もうずっと前からの私の夢でして。あまりにヴィヴィッドに想像しているので、絶対実現すると思ってるんですが。少数精鋭の洋服と日用品だけ持って暮らしたい。図書館のすぐ近くに住むので、本も持たずに。でも、隙間風やカビはイヤだな(笑)。2016/09/06
さてさて
230
『ここがこれからの住まいになる。六畳に小さな台所がついただけの部屋』。広告代理店を早期退職し、『ぜーんぶ込みで、三万円』という「れんげ荘」で一人暮らしを始めた主人公のキョウコ。この作品にはそんなキョウコが新しい生活に馴染んでいくまでの日々が淡々と描かれていました。築四十年もしかすると五十年という「れんげ荘」のキョーレツさに慄くこの作品。やがて、そんな暮らしに少し憧れる気持ちも湧き上がるこの作品。あくせくした読書でなく、ゆったりとした気持ちの中にのんびりと読んでみたい、独特な雰囲気感に満ち溢れた作品でした。2025/06/15
SJW
218
有名広告代理店で高額な接待費を使って顧客の接待をたくさんこなしてバリバリ働いていたが、顧客のご機嫌取りに嫌気をさしてしまったキョウコ。実家の母親からの嫌味、悪口に耐えられず、45歳で独り暮らしを決意し仕事を辞めた。貯めた数千万円の貯金から、毎月10万円を生活費に当てる貯蓄生活者になり、働かないで質素な生活する事を楽しむ話。しかし国民年金を払わずに、働けるのに働かないその姿勢に怒りを覚える。あと20年も経てば働きたくても働く機会がなくなるのに、そのリスクを見て見ないふりをするのは考えられない。(続く)2019/01/24
おしゃべりメガネ
198
よく書店等で見かけてはいましたが、手にとる機会がなく、未読でしたが『かもめ食堂』を読んで、こちらのシリーズもチャレンジしたくなりました。『パンとスープ〜』シリーズとはまた違った雰囲気の作風で、ほっこりベースでありながら、母と娘の確執などが綴られ、地味にちょっとシリアスになる部分もあります。諸事情により45歳で退職し、ガラッと生活習慣を変えようとした主人公「キョウコ」。そんな彼女の退職後におけるのんびりスローライフをゆるりと書いていて、本作を読むと些細なコトにこだわり、気にしてしまう自分がイヤになりますね。2019/10/09
もりやまたけよし
195
人生、一度はスピンアウトしてのんびりとした生活をしてみたくなるもの。とはいえ、世の中は人間関係で成り立っているので、なかなか一人だけでの生活はうまくいかないもので、キョウコさんの悩みも尽きない。れんげ荘の自然環境の厳しさは読んでいてもつらさが伝わってきた。作者が実際体験したのかも。2017/03/17