内容説明
その事件は、小川香奈子の息子の圭太が、スーパーで連れ去られそうになった出来事から始まった。幼稚園での信じられない誘拐劇。人質の父親を名乗る犯人。そして、警察を嘲笑うかのような、白昼の渋谷スクランブル交差点での、身代金受け渡し。前代未聞の誘拐事件は、人質の保護により、解決に向かうかのように思われた…。だが、それはこの事件のほんの序章に過ぎなかった。二転、三転する事件の様相は、読者を想像を絶する結末へ導く。読書界で話題沸騰の長篇ミステリ、待望の文庫化。
著者等紹介
連城三紀彦[レンジョウミキヒコ]
1948年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。在学中の78年、『変調二人羽織』で第3回幻影城新人賞を受賞してデビュー。81年、『戻り川心中』で第34回日本推理作家協会賞受賞。また84年には『宵待草夜情』で第5回吉川英治文学新人賞を、『恋文』で第91回直木賞を、96年『隠れ菊』で第9回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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