内容説明
満たされない大学生活を送っていた井沢直美の日々は、アプラDT社にアルバイト入社したことで一変した。直美は、航空機搭載の量子コンピューターで、占い・カウンセリング事業の計画に加わることになったのだ。直美たちの不安は的中し、占い事業は頓挫。だが…小佐薙たちは、起死回生の計画を企んでいた。それは、量子コンピューターを使って「神」を作りだすことだった!果たして、人間に神を作り出すことはできるのか!?渾身のSF長篇。
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年、兵庫県宝塚市生まれ。甲南大学理学部(現理工学部)卒。出版社、映像製作会社を経て、1993年、フリーランスのPR映画ディレクターに。2002年、『神様のパズル』で第3回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YO-HEY@紅蓮ロデオ
20
読んで良かった。神様のパズルが面白かった人には…滑らないでしょうね。フライデイが神と自我に苦しむさまは心が痛くなります。そして、最後のアナグラムには素直に関心。なんにしても…Qコンは凄いね。にしても…これよむとやっぱ、本編の続きが読みたくなるよ。パズルの軌跡…続き出るかな!?…最後に…人物のビジュアルを想像出来なかったのは残念。2010/12/14
いずむ
16
自我を持つAI。世界を見透かす量子コンピュータ。利権、利益を巡って世界が動く。とんでもないことがサラリと起きる。そんな渦中にありながら、「いや、今の私はそんなコトに構ってる場合じゃないし」と言わんばかり、マイペースに恋愛街道を邁進したナオミに思わずクスリ。大きな敵が現れては挫け、折れ、流され。世の中みんなが幸せになる方法、なんて、神様でも見つけられない。世界はそんなに優しくない。それでも。どうしようもなくとっちらかった先に見える渺茫。またここから一歩。機本ワールドの、そんなラストには救いがあると思うのだ。2012/02/23
kochi
13
シュミレートした解析世界に神様である解析神を作り出すというネオ・ピグマリオン計画。順調に動き始めたと思われた矢先、量子コンピュータ、スパコン、AIの三位一体システムに予想もしない綻びが。そして、忍び寄るソウル・オリジンの影… バイトという立場なので仕方ないが、全く活躍の場がなくて、ネガティブな面でばかり目立ち続けるヒロイン直美、作者が辛抱に辛抱を重ねて、最高の舞台を提供か?!? 手ぐし、すっぴんで登場し、羽化する途中の女子大生の成長物語と見るか、最後に登場する影の主役の露払いだったのか^_^2021/01/31
ローリー
8
結局落ち着くところは彼女でしたか。そう言えば帯に堂々とスピンオフって書いてありましたね。登場するまで気付きませんでした。飛行型量子コンピュータ同士で戦ってみたり、上巻と比べてかなり動きもあって面白く読めました。ただ、AIに説教されて終わった感があり、どの登場人物にも感情移入して読むことが出来なかったのは残念でした。機長のキャンディとか、いろんな所に伏線を感じて読んでいたんですが、そのほとんどは不発でしたしね。ストーリーの出来そのものはとても良いんですが、膨らませ方が私好みでなかったと言うところです。2011/07/21
あぶらや
7
淡々と続いた量子コンピュータで神様を作る話が挫折を向かえる。そして暴走する宗教化した組織とのコンピュータを使った戦いは米軍も交えてクライマックスへ。 神とは?と言う哲学的なテーマの中で主人公の女子高生の恋物語も散りばめられ、読み終わってみれば満足感。 エンディングでは天才少女穂瑞沙羅華もチラリと登場。でもそれはキーワードだった。 機本さん、もっともっと書いてくれ~2017/11/07