内容説明
茶釜に化けた狸が男に恩返しをする昔話『分福茶釜』。心温まる狸と男の続きの話は、恐るべき復讐譚だった―。『鶴の恩返し』『ものぐさ太郎』『ねずみの兵法』など、著名な昔話に秘められたもう一つの、背筋が凍るストーリー。著者独自のアプローチで描かれた“恐ろしいおとぎ話”十八篇を収録。ベストセラー『グリム童話より怖い日本おとぎ話』に続く、待望の書き下ろし、遂に刊行。
著者等紹介
中見利男[ナカミトシオ]
1959年、岡山県生まれ。作家、ジャーナリスト。該博な知識と徹底した取材力、そして斬新な視点を駆使し、ドキュメンタリー、評論、解説書など数多く手がける。伝奇時代小説『太閤の復活祭~関ヶ原秘密指令』が「2001年度の本の雑誌が選ぶ総合ベスト10」で第7位にランクイン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥なつめ
1
シリーズものだったのか。怖いグリム童話の本は色々読んだことがあったけれど、怖い日本のおとぎ話関連の本を読んだのは初めてだったので新鮮だった。どれもえげつなくて非常に良かった。異常に推されていたスサノオの話は私的に全然ヒットしなかったけど(笑)。1番良かったのは『犬嫁』。2頁ちょっとというショートショートだったけれど、獣×人間の娘という素敵ジャンルにときめいたのは言うまでもない。このシリーズ、もっと読みたい!2014/08/02
水月
0
日本のおとぎ話を多少アレンジした本。後味の悪い話が多い。筆者はこの本で、おとぎ話は西洋で言う聖書と同じものと書いている。しかし私はこれは教育書だと思った。子供によい話をして、自分もこうしようと思わせるのは難しい。反面、ひどい話、怖い話を聞かせて、こうはなりたくないならこうしちゃ駄目と言い聞かせるのは効果がある。本質的には、聖書も教育書の一種なのだろう。楽しめる本ではないし、また浦島太郎の話などこの本で完結していないところが不満点。☆22016/05/06
憂
0
よく本当は怖いグリム童話みたいなものが好きで読んでいるのですが、日本のおとぎ話は珍しいなと思い読んでみました。私が知っている話もたくさんあって、楽しく読むことができました。割と救いようがないラストが多かったです…。2016/04/16