内容説明
女子高生の素行調査を引き受けた私立探偵畝原は、その行動に驚愕した。ホストクラブに出入りし、そのお金を稼ぐために老人に身体を売っていたのだ。一方、猫の首なし死体が投げ込まれるという相談を受けた畝原は、依頼主の経営する駐車場で、殺人事件に巻き込まれる。畝原を狙ったものなのか?彼が受けた二つの依頼に、ある共通点が見えた時、事件の恐るべき実体が明らかになる―。私立探偵畝原シリーズ、待望の文庫化。
著者等紹介
東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。土木作業員、ポスター貼り、タウン雑誌編集者などを経て、92年『探偵はバーにいる』で作家としてデビュー。2001年『残光』にて第54回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
76
うん。もうテーマは『家族』だね。キャラ立ては相変わらずいいし、構成もいいなあ、面白いなあなんて読んでたけど、最後にこんなん泣くわ。次作を先に読了してたけどなんの問題もなかった。正直いうと、いいなあとは思っても惚れ込んでるキャラはいない。畝原も好みのタイプじゃない。ただしだ、畝原を追体験する。一人称小説なので、彼の目線と主観で読む。畝原が好意を持つ登場人物に好意を持つんだよ。畝原がどれほど怒ってるか、どれほど嬉しいかを感じて涙したりするんだよ。これってさ、すごいことだと思う。2022/04/26
hanchyan@連戦連勝の前には必ず負けがある
30
シリーズ集大成とも言うべき前作「熾火」に続く第5弾。2ndシーズン開幕・2時間拡大版って感じ。冒頭の事件(ていうか調査の顛末)が一作の短編を読むかのようで、のっけから胸が悪くなるぞ(笑)。さて。作中人物が歳をとる方式のこのシリーズ。子供たちは成長し年長の友人達は老いてゆくわけだ。冴香ちゃんは来年受験だよ。すっかり大きくなったなあ(笑)と、まずはそこらへんが楽しい。今回は真由ちゃんが大活躍。もちろん、シリーズを貫く(と勝手に確信してる)『家族』のテーマもズシっと重く、だからこそ胸に響くラスト。泣く。2022/04/03
ゆみ
28
再読にしてなかなかのくどい文章だと気付いたけれど、それも東氏の面白さと思うと楽しめる。14歳の売春をする少女と地元の名士と言われた老人のつながりがそうかぁ、そう来たかぁとなるんだけれど、毎回毎回、救いようのない話なんだよなぁと思う。探偵畝原は好き。ひきとられた幸恵が声を発するのが嬉しい。2018/09/02
Alice
7
前作『熾火』を読んだのがかなり前だったから読み始めて繋がりに戸惑っとしまった。 前作がかなりハードだったので、今回もまた…とドキドキして畝原さん、もうそのぐらいにしときましょうよー!って何度も思ってしまった。 今作も大変面白かったです。2016/11/09
ナツメッグ☆
4
最後はあっと驚くタメゴロー的展開。2018/10/28