内容説明
日本橋にある一膳飯屋“塩梅屋”では、季蔵とおき玖が、お正月の飾り物である食積の準備に余念がなかった。食積は、あられの他、海の幸山の幸に、柏や裏白の葉を添えるのだ。そんなある日、季蔵を兄と慕う豪助から「近所に住む船宿の主人を殺した犯人を捕まえたい」と相談される。一方、塩梅屋の食積に添えた裏白の葉の間に、ご禁制の貝玉(真珠)が見つかった。一体誰が何の目的で、隠したのか!?義理と人情の人気捕物帖シリーズ、第四弾。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』、『ママに捧げる殺人』などで注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
63
【料理人季蔵捕物控シリーズ4作目】疾風牙による犯罪。悲しい人生を送った女性達が沢山登場し、この時代に女として生まれ生きるのは大変だなぁとしみじみ感じた。おき玖の季蔵への気持ちが垣間見えますます今後が楽しみになってきた。362019/01/31
ユメ
33
どうも、季蔵には本人の意志によらず事件が寄ってくるようだ。今作でも、正月の食積に飾る裏白の間に何者かが貝玉を隠していったのを皮切りに物騒な出来事が相次ぎ、やがてすべてが繋がってゆく。前巻で巨悪がこの世を去っても、お江戸から悪は消えやしない。新たなあくどい人間の登場に、溜め息を抑えられなかった。何よりやるせないのは、今回もまた無辜の女たちが犠牲になることだ。失われた命は帰らないが、心を病んだ瑠璃が笑顔を取り戻す日が訪れることを祈ってやまない。季蔵が教示してくれるお江戸の食文化だけは、純粋に楽しんでいる。2019/08/05
はにこ
30
今回も色々な殺人事件。一応それぞれの犯人は捕まるけど黒幕は最後でようやっと。いつもただ食いの田端の旦那。てっきり嫌われ者かと思ったら季蔵はそうでもなかったみたいね。三吉の料理の腕があがってちょくちょく季蔵が店を任せておでかけ。裏稼業にも力が入れられそうね。2021/10/04
万葉語り
29
塩梅屋大根を作ってみたいと思った。今度の悪役も清々しいほど悪に徹していて生臭い。いつ成敗するのかと思いながら読み進めた。季蔵さん背が高いはずだったけれどすらっとしているから、この設定の刺客も務められるのだろうと思った。実は恐るべきは烏谷様なのではないかとも思った。2014/08/26
ichi
26
【図書館本】シリーズ第4巻。美味しそうなお料理の出番が多く満足。季蔵の裏のお役目も様になってきて、悪者を必ず暴いてくれるので安心して読めました。2015/09/01
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