内容説明
映画の原作にもなり、貧しいながらも心優しい人々のお互いを信じ合う姿が深い感動をよぶ表題作「雨あがる」、その続編「雪の上の霜」、侍という生き方よりも人間らしい生き方を選ぶ主人公を描き、著者の曲軒ぶりがいかんなく発揮されている「よじょう」など、武家ものを中心とした名作全五篇を収載。生きにくい時代だからこそ浮かび上がってくる、“人間の人間らしさ”を描き続けた昭和の文豪・山本周五郎の魅力が光る、オリジナル名作短篇集。
著者等紹介
山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903年、山梨県生まれ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926年『須磨寺附近』が「文藝春秋」に掲載され、文壇デビュー作となった。『日本婦道記』が1943年上期の直木賞に推されたが、受賞を辞退。1967年2月14日没。享年63歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
55
【耳読書】表題作『雨あがる』の朗読を聴いたが、あぁ、この作品、映画で観たことあると思い出した。当時はまだ新婚だったので、夫が本作に感銘を受けているのを尻目に、自分には無理だとプレッシャーを感じてしまった事が懐かしい。ですがあれからずっと、私の心の中にはいつもおたえさんが居てくれた気がする。世間体を気にしすぎない、自分達が良いと思う価値観を大切にしよう、夫婦は互いが一番の味方であろう、見えやすいモノよりも心を大切にしよう。今大切にしたいのは伊兵衛の心持ち。人と優しい気持ちで繋がる一歩を踏み出したい。2021/08/23
AICHAN
43
図書館本。「深川安楽亭」「よじょう」「義理なさけ」「雨あがる」「雪の上の霜」の短編5編。周五郎節全開!2019/09/15
ヒデミン@もも
43
文学の講義で。決して自ら選ぶことはなかっただろう作品。しかし、竹添先生の講義を聴いていると、その世界に入り込める。 レポートの課題は、『安楽亭』にしようかと思ったが、『よじょう』で。2018/02/03
TATA
41
何年か前、日本に帰った時に買った一冊。ようやく積読から解放。山本周五郎の味わい深い短編集。決して報われる話だけを書いているわけではないのだが、情けの深さがどの作品にも滲み出る。そんな作者の筆をじんわりと味わっていると、突然に飛び込んでくるユーモアもあり、懐の深さに驚かされる。やはりまあ、表題作が一番好み。心地よい余韻が残ります。2022/01/31
金吾
37
○表題作は貧困の中にも誇り高く生きる妻と実力ありながら恵まれない中においても、更に恵まれていない人への慈愛がある夫の話であり、心暖まる気になり好きな話です。久々に映画も見てみようと思いました。2022/12/25
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