内容説明
青山久保町で町道場を経営している母衣権兵衛は、ある日、甲斐武田の流れを汲む名門・小幡家の旗本連中に捕まっているお新を助けた。お新は、母衣がよく呑みに出かける居酒屋“いろは”で働いているのだが、実は巾着切りでもあったのだ。母衣は密かにお新に惚れているが、お新には、彼女に金をせびってばかりいる腐れ縁の情夫がいた…。“愛”と“夢”に生きる男たちが幕末の江戸で大暴れする、痛快無比の長篇時代小説。
著者等紹介
鈴木哲也[スズキテツヤ]
1969年静岡県生まれ。同志社大学文学部国文学科中退。1991年劇団M.O.P.入団。主宰者である劇作家マキノノゾミ氏に師事し、執筆アシスタントを務める傍ら、自らの創作活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
15
独特の伝法な語り口は気分が出てなかなか良いし、登場人物の心情はよく描けている。これで活劇的なパートに骨太さが有ればなあ。特に最後の大立ち回りの臨場感が弱い。全編湿りっぱなしでカリッとしたところがない。コンパクトにまとまっているとは思うし描きたいこともわかるんだけれども。2014/07/19
ちまちゃん
7
舞台鑑賞の機に読了。2004年に舞台化された脚本を元に加筆して小説化したのが「小説浪人街」になる。元々は1928年に誕生した作品。今も尚、舞台化されリメイクされながらも、長い間愛されてきた作品。今回、本でも堪能できて良かった。2025年舞台版はさらに時代に合わせて脚本にも変化があった。舞台との違いを味わえるのが小説の面白い部分であった。同じ登場人物でも物語が異なると印象も変わるものだなと。言葉遣いが難しくて読むのに時間がかかった。初めて時代劇を味わったのが浪人街で良かった。そう思わせてくれる作品でした。2025/02/24
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