内容説明
寛政十二年の年の瀬、金座裏の若親分の政次は、久しぶりの剣術稽古に精を出していた。同門の士より、永塚小夜の姿が見えないと耳にした政次は、小夜が指導している林道場を訪れることに。そこで政次は、小夜の息子の小太郎がかどわかされそうになった事実を聞く。政次ら金座裏の聞き込みにより、秋月藩士が関わっていることが判明するも、背後に小太郎の父親の影が…。祝言を間近に控えた政次、しほ、そして金座裏を巻き込む事件の行方は?大好評書き下ろし時代長篇。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。71年より74年末までスペイントに滞在、闘牛社会を取材。以後、スペインをテーマにしたノンフィクションを発表。1999年、初の時代小説『瑠璃の寺』(文庫化に際して『悲愁の剣』と改題)を発表後、次々と作品を執筆、時代小説の書き手として高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤枝梅安
22
政次が御用のため神谷道場に通うことが出来ない日々が続いたが、事件が解決しようやく道場に顔を出す。政次と入れ替わるように、永塚小夜が稽古に姿を見せなくなった。気になった政次は小夜が町人に稽古をつける林道場に顔を出す。小夜の一子・小太郎が何者かにかどわかされそうになった。小太郎の父の仕業ではないかと考えた政次は宗五郎に相談する。探索の過程で九州・秋月藩の過去の不祥事が明らかになってくる。藩の不利益を最小限にとどめつつ、宗五郎は事件を解決に導く。2010/12/03
Kau
13
年の瀬、金座裏の若親分の政次は久しぶりに神谷道場で汗を流していた。だが、永塚小夜の姿はなかった。そんなおり、小夜の子供小太郎がさらわれそうになる事件が起きる。。。江戸の人情を取り混ぜて、事件が解決してきます。しほさんと政次の祝言も年明けに行われるようで一安心です。😊2020/04/09
KAZOO
8
金座裏の十手持ちというキャラクターをうまく作り上げたことで、このシリーズは成功したと感じています。また主人公を同じ世代の若者ということで一つの青春ものということの位置づけもあると思います。2013/11/14
はぴた(半分お休み中)
7
最近政次があまりにデキスギ君でいまひとつ面白みを感じられなかったが、この巻は良かった。亮吉が政次と彦四郎をつなぐ存在だということを、皆が感じていたというところもナイス。金座裏で迷い猫を飼うことになる話が冒頭にあったので、猫がカギになる展開があるかと期待してしまったが… 今後出てくるのでしょうか。2013/07/30
えびぃ
6
凄い泣けました。亮吉の涙にもらい泣きです。本当に暖かい人々です。祝儀の義理は欠いても不祝儀の義理は欠いちゃいけねぇ!って言葉が胸に刺さりましたね。現代はそれが逆な気がします。2010/06/20
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