内容説明
人生でさいしょに飲んだ酒の話、野球場での悪酔い酒について、高い勘定へのぼやきなどの愉快な酒談義。北は小樽の海陽亭から南は長崎のとら寿司まで、美味しい料理と酒を楽しんだ全国各地の行きつけの店とお気に入りの料理のこと。さらに、その土地ならではの食と酒を味わい尽くす旅の楽しみ方まで、美酒と美食をこよなく愛した作家による、旨い話ばかりをぎゅっと凝縮した、極上の一冊。
目次
1 酒づくし(はじめての酒;外野席の酒 ほか)
2 旅の味(少餡の奉仕的精神(別府)
祇園の地蔵会(京都) ほか)
3 全国なじみの店(柳橋 亀清樓の鮎の煮びたし;御茶の水 山の上ホテルの天ぷらとステーキ ほか)
4 酒と肴と草競馬(一関のわんこソバ(水沢)
バナナがうまい(旭川) ほか)
5 対談/吉行淳之介×山口瞳(老イテマスマス耄碌「一屯の蒟蒻がきた篇」)
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京生れ。出版社勤務を経て、58年寿屋(現サントリー)に入社、「洋酒天国」の編集者・コピーライターとして活躍する。62年『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞、79年には『血族』で菊池寛賞を受賞する。95年8月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
14
飲みたくなる話がいっぱい。今日は早めに帰って家飲み・・・・・・2014/03/24
ナウラガー_2012
0
(コピーライターは開高健や山口瞳でイラストは柳原良平)/年を取って怒りっぽくなるのは血圧が高くなるからだと言われるが、さらに年をとると丸くなる。自己防衛のために怒らなくなる2023/11/19
ナウラガー_2012
0
遠藤氏主宰の劇団「樹座(きざ)」の役者として、「ウエスト・サイド・ストーリー」などの舞台に出演するなどの親交があった/【小樽・海陽亭の湯豆腐】奥村豆腐店の豆腐。札幌の海陽亭の方が繁盛しているが豆腐は小樽まで仕入に来る/【一関の直利庵の蕎麦】/戦時中にサントリーは鳥栖に工場を疎開しようとしたが結局、臼杵になった。鳥栖はトリスとも読めるし臼杵もウイスキーと読める。トリスウイスキーは1946年に誕生し1950年に全国にトリスバーができる。1956年に寿屋宣伝部が『洋酒天国』を刊行2023/11/19
ナウラガー_2012
0
与謝野鉄幹・晶子夫妻、志賀直哉らが常宿とした。皆美館近くの蕎麦屋・古曾志も◎/芸者のことを山中ではシシ、山代でコトリ、片山津でカモという/【柳橋・亀清樓の鮎の煮びたし】小泉信三先生は隅田川の川開きの日に桂文楽、古今亭志ん生、三遊亭円楽を呼んで落語を聞き、花火を楽しまれた/ 【長崎・とら寿し鯵握り】故・遠藤周作氏も愛した長崎市万屋町の「とら寿し」。店主の大竹豊彦氏は「数年前から仕込みの途中で、緊張感と集中力がうせると感じられ、このままでは客に礼儀を失する」と2008年に店をたたんだ。大竹氏は40、50歳代に2023/11/19
ナウラガー_2012
0
「雲子(くもこ)」と呼ばれることが多い。タチ鍋(白子鍋)/雪掻きは地面が見えるまで掻いてはならない。雪を少し残さないと、滑ってしまう/【宍道湖即皆美館】明治21(1888)、前業の「酢屋」から「旅籠」を開業して約130年、「客の心になりて亭主せよ」という松江七代目藩主・茶人不昧公の教えを家訓とする。創業者の皆美与蔵から命名。宍道湖七珍:①モロゲエビ②スズキ(奉書焼が名物)③シラウオ④アマサギ⑤シジミ⑥ウナギ⑦鯉(これに”鴨”を加えて八珍とも言う)。松葉蟹、鴨鍋、鯛めしが有名。島崎藤村や田山花袋2023/11/19