内容説明
留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。第三回小松左京賞受賞作。
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年、兵庫県宝塚市生まれ。甲南大学理学部(現理工学部)卒。出版社、映像製作会社を経て、1993年、フリーランスのPR映画ディレクターに。2002年、『神様のパズル』で第3回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
た〜
48
きっちりSFしっかり青春。テーマは「人間は宇宙を作れるか?」2014/11/19
fukumasagami
44
「え?」 「ハッキングを受けているんだよ。こっちのファイアウォールが自動で立ち上がって回線を切断し、処理能力が落ちたんだ」 「ボローイングがバレたんじゃないのか?」 「いや、そんなはずはない。とにかく一旦、終了した方がいい」 「セーブしておかなくていいのか?」 「どこにセーブするんだ。メモリーはどうする?」 穂瑞はウィンドウを閉じ、すべてのプログラムを終了させた。コンピュータのファンの音も止み、部屋の中は静かになった。窓の外は、すっかり明るくなっていた。2024/05/23
ゆー。
35
「『宇宙を作ることはできるのか?』 主人公と穂瑞がゼミで立証することになる。立証できるのか?インフレーション宇宙、超ひも理論、量子力学と専門用語で頭が一杯になった。 物理が好きな人は理解が早いのかもしれない。」2021/05/10
そのぼん
30
なんだか物理の教科書とか論文を読んでいる気分に…。理数系が苦手なそのぼん的にはキツかったです(苦笑)。以前に読んだ『メシアの処方箋』が苦手だったのでどうやら、そのぼんには機本伸司の作風は合わないようです。東野圭吾のガリレオシリーズば大丈夫だったのですが。理数系に強い方にオススメです。2011/06/28
to boy
29
久しぶりの再読。宇宙が無から生まれたのなら、人間の手でも宇宙が作れるのでは・・・というテーマで話が進みます。が、出来の悪い大学生の卒業問題やら稲刈りなどのシーンが出てきて緊張感をほぐしてくれます。デザイナーズベイビーである主人公のキレのいい量子論も面白い。再読して良かったと思える一冊。2019/10/03