内容説明
死んだあなたに、また会いたい…親友に妹を託し、日本の新生を信じて戦艦「大和」と共に散った臼淵大尉、最愛の妻に生還を誓ったが、沈没する「大和」に自ら残った小笠原兵曹、「われ亡くも永遠に微笑めたらちねの―」という歌を遺し、人間魚雷「回天」で特攻死した塚本太郎など、愛するものを守るため戦場に散った男たちと、遺された人々の終わりなき鎮魂の旅を描く全十話。戦後六十年、今、また甦る愛と涙のノンフィクション。
目次
第1話 われ亡くも、母よ微笑め―人間魚雷「回天」で特攻死した塚本太郎の遺したもの
第2話 軍神の柿―真珠湾で散華した後藤元が想いつづけた故郷の山河
第3話 遅れてきた遺書―梅雨空の雲の切れ間に知覧を発った和田照次
第4話 恋文―南洋群島から大陸の妻へ 北原百次郎の想い
第5話 軍夫の弔い―植民地下の台湾に生れ徴用先で死んだ客家の遺恨
第6話 シベリアの菊―厳寒の地に十年間収容された赤羽文子の運命
第7話 歳月―シベリア抑留の夫を持ちつづけた山本モジミの生涯
第8話 終わりなき旅―ニューギニアの山中で戦病死した宮川文二郎を偲んで
第9話 大和の墓標―最愛の妻に生還を誓った小笠原嘉明は艦を離れず
第十話 約束―親友に妹を託し戦艦「大和」と共に散った臼淵磐
著者等紹介
辺見じゅん[ヘンミジュン]
富山県に生まれる。早稲田大学文学部卒業。編集者を経て現在、作家・歌人として活躍中。『男たちの大和』で第3回新田次郎文学賞、歌集『闇の祝祭』で第12回現代短歌女流賞、『収容所から来た遺書』で第11回講談社ノンフィクション賞・第21回大宅壮一ノンフィクション賞、『夢、未だ盡きず』で第9回ミズノスポーツライター賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
佳乃
ひらけん
馨
ともぞう