内容説明
生夫は小学三年生、姉九人・兄一人の十一人きょうだいの末っ子だ。病気で学校を休みがちの彼のまわりに起きる日常の謎・謎・謎―消えてしまった鉄道模型に、繰り返される無言電話、玄関に置いていかれた象の絵本…。でも大丈夫、いつも最後には下宿人のヨモギさんが現れて見事解決してくれるのだから。子どもの頃の懐かしさと切なさを、ほのぼのとした筆致で描く連作ミステリー、書き下ろしで登場。
著者等紹介
青井夏海[アオイナツミ]
千葉県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。2001年、野球ミステリー『スタジアム虹の事件簿』でデビュー
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
43
11人きょうだい、というと、和気あいあい、賑やかになごやかな生活を送っていそうな気がするが、おそらく現実は、この作品のような厳しいものかも。小学3年の病弱な末っ子が見た、日常にひそむ謎。物理パズルよりも、若い人間の微妙な心理を読み解くことが解決でへの道。それこそ「文学的」だろう。本書最大の秘密を、3年生の子どもだからこそ、ありそうに思わせるのは、作者の筆力だろう。2017/08/30
はらぺこ
38
好き。 日常のミステリーに小学三年生の生夫が挑むが最後はヨモギさんが解決してくれる。 多少都合が良過ぎる気がするし、エピローグはプロローグを読んだ時に思い描いたラスト通りやねんけど、そこに行き着くまでの流れが暖かい気持ちにしてくれる。 10人の姉兄の内の何人かのエピソードが無いので読みたかった。この設定では無理かも知れんけど続編希望。2010/10/14
nemuro
34
『スタジアム 虹の事件簿』が頗る面白く、本棚に並ぶ未読の4冊を発行順に愉しみ始めての1冊目。帯には「11人きょうだいの末っ子・生夫クンと下宿人・ヨモギさんの名コンビ!連作ミステリーの傑作、登場!」。うむっ、これも悪くない。購入履歴はどうかとブログ内を検索。『そして今はだれも』(フジヤ書店イオン北見店)、『雲の上の青い空』(宮脇書店秋田本店)、『あかつき球団事務所へようこそ』(コーチャンフォー北見店)。本書のみ判明せず。奥付から、ブログ開始(2007年4月)前の購入本。稚内の「クラーク書店」と推理してみた。2024/12/12
あー
16
なんとなく古さを感じたけど、とても読みやすくて◎11人きょうだいの話なのに、全くやかましく無くてむしろ静かな迷宮。2022/07/09
ist
15
日常の謎系、のんびり。11人姉弟の末っ子の生夫が9歳のわりには利発すぎない??下宿人のヨモギさんがヒントをくれて謎解きする。最後にそのヨモギさんの謎をスパッと解決して終わり。一編が短くてもよいので、いろんなタイプの話を読みたかったかな。2017/03/31