内容説明
人口増加のため、“食べられる動物”はほとんど絶滅し、口にするのは合成食品ばかりになってしまった近未来。天然動物の味を忘れられない人々がひそかに集う秘密クラブでは今日もまた極上の食事を供する饗宴が催されようとしていた…。さて本日のメニューとは(「午後のブリッジ」)。これまで単行本未収録だった「にげた宇宙人」を含む全四十八篇。小松左京ショートショート全集完結。
著者等紹介
小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪市生まれ。京都大学文学部卒。61年「地には平和を」でSFコンテスト選外努力賞。64年に処女長篇『日本アパッチ族』を発表。73年『日本沈没』で日本推理作家協会賞、85年『首都消失』で日本SF大賞を受賞
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感想・レビュー
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roatsu
5
収録話数が多く、たくさん楽しめる短編集。数十年前の作品とはいえ、洞察力の深さと古びないユーモアには驚くばかり。もちろん書かれたままではないけど小松先生が昔に思い描いた笑えない未来のいくつかは現代にも既に現れてきているのでは、なんて。生きがい銀行やプライベート・マネーとかのエピソードはいい歳の働く大人になったがゆえに面白さを深く感じるかも。2014/07/04
晴れ女のMoeco
4
日本が反転したような形のNOPPIN国が出現して、アメリカを狙う「クロスカウンター」ではまって、危うく電車を乗り過ごすところだった…。 「おとしもの」「宇宙に嫁ぐ」もすき。2016/05/27
hirayama46
3
小松左京のショートショートは久しぶりに読みましたが、やっぱり星新一との違いがとても大きくて面白いですね。こういう短い文章を集めることによってあぶり出させれる作家性というのは興味深いものです。2017/10/21
1_k
2
読んだのは十年以上ぶりなのに、ほとんどの話を覚えていた。のは、インパクトのある内容だからだろうな。発想力が凄まじい。時代相応の古臭いものもあれば、まさに予言があたったかのようなものまである。これがSFの真髄であります。2011/10/13
シュースケ(ザ・うすくら~ず)
1
過去を学び、現在を考え、未来を通ずる。ハエの話と逃げ出した宇宙人の話が面白かった。2012/01/29