出版社内容情報
【目次】
内容説明
医療従事者の苦悩、陰謀論者の暴走、ジャーナリストの葛藤…そして悲劇は起きた―。コロナ禍の歪んだ日常のもとで生み出された異常な心理が招いた殺人事件の真相とは?
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。会社員生活のかたわら、2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
129
友人関係の男たちの苦悩。一人は週刊誌の副編集長・志賀、もう一人はコロナ禍で奮闘する医師・伊達。そう言えば陰謀論もあったなぁとあの頃を思い出した。オカシナ団体の首謀者が殺された事件から、色んな思惑が浮かび上がる・・ワクチン接種については、新たな感染症の度に混乱するのだろうな。それぞれの正義、扇動の恐ろしさが肝なのだろうが、犯人の背景が見えちゃう結末でこれは少ししんどい気がした。他の方のレビューで既読の『夜がどれほど暗くても』の志賀さんだったと気付いた次第(汗)2025/07/29
hirokun
40
★3 コロナで大変だった当時を思い起こさせてくれる作品。人の記憶は良くも悪くも薄れていくもの。過去の経験を活かしていく対策が適切に打たれているだろうか?作品としては読み易い文章で一気読みできるエンタメ小説。2025/07/25
ゆっき
35
『夜がどれほど暗くても」の続編。コロナ禍で取材する「週刊春潮」副編集長の志賀。命を守るために闘う医療従事者に対して、反マスク反ワクチンを訴える集団の暴徒化。コロナ禍を思い出して息苦しくなった。事件の犯人はすぐに分かるし、残念ながら読みたい中山七里作品ではありませんでした。2025/07/27
tan
30
コロナ禍ではワクチン接種反対派もいたり、逆に接種強要派もいたな~と。この反対派達はカルト集団化していてなんとなく初めから犯人が分かり、でもそれだけでなくこの集団のバックにどんな人物が待ち構えているのかな?と期待しながら読み進めていったが、えっ、それで終わり?と拍子抜けの結末。薄い本だったし中山さんの何回かに一回ある「やっつけ仕事」に当たった感じでガッカリ。中山さんは本当に大好きな作家さんなので、出版回数よりもじっくりと読ませる厚い本を期待しています。2025/07/20
akiᵕ̈
29
七里さん新刊はコロナ禍のお話。懐かしさを感じてしまう程に遠い昔のように感じられるけど、当時のアレコレが蘇ってくる。報道する側の目線と医療従事者たちの目線で、当時の混乱がどれ程のものであったかが改めて分かる。特にワクチンにフィーチャーしている今作。陰謀論やら毒扱いで正義を振りかざして集団で医療従事者たちを責め立て、宗教、洗脳と紙一重である状況。扇動の恐ろしさよ。ミステリとしてのオモシロ度は低いが、コロナやワクチンについての見方や、あの混乱の最中にどんな事が起こっていたのか、社会問題として楽しめる作品。2025/07/03