出版社内容情報
18歳で詩人としてスタートしてからじつに75年以上、詩のみならず様々な分野で活躍し続ける、谷川俊太郎さん。
本書『かっぱ語録』には、そんな谷川さんがこの世に送り出された詩やエッセイ、対談・インタビューなどから、自選他選取り混ぜながらご自身が選び出した78の言葉を収録しました。
「うそとほんとは双生児」「人生はコトバで論するものじゃなく、生身で生きるもの。」「ぼくの好きなことわざは〈carpe diem〉。」など、こころの栄養になる言葉のひとつひとつには、後輩詩人・覚 和歌子さんのミニ解説がついています。
どのページから開いてもお楽しみいただける、幸せのヒント満載の語録です。
内容説明
詩人・谷川俊太郎さんがこの世に送り出してきたあまたの言葉から、いま、ご自身で選び出したこころの栄養になる78の言葉。「千と千尋の神隠し」主題歌作詞でおなじみの覚和歌子さんによるミニ解説にもご注目。
目次
1 どこかで朝が
2 あいしてるってどういうかんじ?
3 「しがない」暮らしは
4 幸せと不幸せはそっくり
5 万有引力とは
6 自分ガ好キデタマラナイ
7 海ハ青クテ
8 宇宙は鼻の先
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
56
谷川俊太郎さんの詩・言葉は、広く深く、読むたびに発見がある。そんな谷川さんの世界を、こういう切り口もあるよ・・と、軽くノックしてくれるような覚さんの言葉がいい。それにしても、いつも思うのだが、谷川さんの言葉は、どこから降りてくるのだろうか。谷川さんの過ごしてきた時間、関わった世界、思索と試行の連続。そんな凄い世界に触れることができる喜びがある。2024/08/10
けぴ
47
印象に残ったフレーズ。「あしたのしたは どんなした ああしたこうした にまいじた あしたのあしは どんなあし ぬきあしさしあし しのびあし」「目の前にいなくても、その人がいると思うだけで幸せになれる、そんなその人がいるのは幸せだ」「幸せになることよりも、幸せであり続けることの方が難しい」「初めに自然に幸せがあった、不幸せはその後の不自然な人間社会から現れた」「いもくって ぶ」「この地上で今も何千人かが餓死しているのを現実と呼ぶならば、犬の食べ物に何千金を投じているのも同じ現実の名で呼ばざるを得ない」2024/09/15
ふう
26
懐かしい詩、弾むリズムで思わず声に出す詩、逆説的な詩、ニンマリする詩、どれも力まず健康的なことばの世界を見せてくれる。能書き 覚和歌子 とあって、なるほど良いツッコミ。すっきりした装丁も美しい。92歳、万歳。ラストの8章「宇宙は鼻の先」は重い。「これからの日本がどうなるかと思うことはあるが どう出来るかを思うと自分の力不足を痛感する」2024/07/20
こまり
17
谷川さん自身が選んだ78の短い言葉と覚和歌子さんの“能書き”が収められている一冊。油断して読んでいると突然ものすごく刺さる言葉に出会ったりする。抜粋された詩の題名が記されているので、気になった言葉の全体を読み返すことができるのも良い。『いてくれるだけでいい いてくれていると信じたい』 『「死がない」は「詩がない」に通じますね、死と詩がない暮らしは「しがない」暮らしです』 などしみじみしたり言葉遊びを楽しんだり、谷川さんの鋭くて優しい言葉が沢山散りばめられている。2025/04/24
ここぽぽ
16
谷川俊太郎の詞に触れた。たった数行のことばの中の真理。力強く、重かった。詩集も機会があったら触れたい。2025/04/06