出版社内容情報
物乞い稼業の実入りが少なかったある日、仲間のおみきに連れられ、少年・信太が〈えにし屋〉を訪ねてきた。
ちょうど同じころにやってきたやけに疲れて見える夫婦は、五年前から行方知らずの、生きていれば八つになる息子・平太を探してほしいという。
今になって何故。お頭の才蔵に望み薄と呆れられつつ、彼らが抱えるなにがしかに揺さぶられるお初。交差する謎と深まる闇……。
人の縁というものは、結ぶも切るも容易ではない。真剣に扱うなら、なおのこと。
〈えにし屋春秋〉シリーズ第二作めは、傑作時代長編サスペンス!
内容説明
物乞い稼業の少年・信太が、実入りの少なかった日、仲間のおみきに連れられて“えにし屋”を訪ねてきた。ちょうど同じ頃にやってきたやけに疲れて見える夫婦は、五年前に行方知れずとなった、生きていれば八つになる息子の平太を探してほしいという。今になって、何故。お頭の才蔵に望み薄と呆れられつつ、彼らが抱えるなにがしかに揺さぶられるお初。交差する謎と深まる闇。傑作時代長篇サスペンス。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。91年『ほたる館物語』でデビュー。96年に発表した『バッテリー』およびその続編で野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞、2011年『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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いつでも母さん
156
この道は何処へ続くのだろうねぇ。息をするのも苦しいのに。一人の女の真実が身体中から押し出される時、人の堕ちる闇がそこここに溢れ出して・・ヒリヒリするこの感じはあさのさんの世界だ。〈えにし屋〉シリーズ第二弾!どんどん引き込まれて読んだ。結ぶも切るも縁故に・・あぁ、もっと読みたい。お初に逢いたい。2023/07/05
初美マリン
97
心の奥にひそみ自分でも気づかない傲慢さなどが事件の背景にある。なるほど作られた女性が主人公なのは面白い。これからも子供たちの成長を横糸にシリーズ化するのでしょう、楽しみです。2024/06/28
タイ子
89
シリーズ第2弾。久しぶりに読んだら一作目の記憶がなかなか蘇らず。。。人と人のいろんなえにしを商売にする<えにし屋>妙にあだっぽいお初と親分の才蔵の二人。物乞いのおみきが信太とえにし屋を訪ねてくる。そこに訪れた夫婦が5年前に生き別れになった息子を探して欲しいと依頼。行方不明だけではなく他に何かがあると感じたお初は調べ始める。そして明るみになる数々の真相。子供という大切な宝を勝手に大人の都合で振り回すんじゃないよと思いながら、えにし屋に預けられた信太が愛おしくなってくる。子供たちの未来に光が差すことを祈って。2024/01/26
itica(アイコン変えました)
86
人と人の縁を取り持ったり、逆に断ち切るのを生業とする「えにし屋」第2弾。中心人物となるお初についてすっかり忘れていて、そういえばお初は○○だった!とようやく気付く始末(笑)。前回は短編連作だったが、今回は丸々一冊、5年前の火事で行方知れずとなった我が子を探してほしいという依頼で動くお初。ふたを開ければ複雑な事情が絡み合い、とんでもない事件へと繋がって行く。えにし屋は今で言うところの探偵業に近いな。お初の推理はお見事。 2023/09/26
はにこ
60
今回の依頼は行方不明の息子を探すというもの。その偵察をしていた女が死ぬ。この事件に隠されている背景が壮絶だった。あの子が息子かなーっと思ったけど、そんなには上手くいかなかった。夫を裏切った妻悪いなぁと思っていたけど、さらにもう一枚。さすがあさの先生。上手ですね。2025/02/11