出版社内容情報
デビュー以来、時代に向き合い、愛すること、生きること、そして生きていくために必要なものについて問い続ける中島みゆき。
「糸」「空と君のあいだに」「時 代」「宙 船(そらふね)」「わかれうた」「離郷の歌」など、魂から湧き出る歌詞は、人生の詩そのもの。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
171
「私の身体の一部はこの人の歌で出来ている」きっとそう思う人は多いだろう。【中島みゆき】この人が生きている時代に共に生きることの僥倖。いや・・もはや運命か。この世界観ーハラハラ涙こぼれ、言えぬ言葉は心に溢れ、血反吐を吐きながら泣き、行き場のない身をそんな持て余すーそんな頃があった。全ては愛故に・・ここに載った52編の詩のどれもが好い。桜木紫乃さんの巻末エッセイがまた好い。2022/05/16
とん大西
140
…不思議です。歌詞カードの延長線上ぐらいのものと侮ってたのは大きな間違いでした。知ってる歌はメロディに乗ってあらためてココロ揺さぶり、知らない歌は、その言葉の塊をグサグサ突き刺し、抉り、ときに撫でていく。中島みゆきに導かれ、自ら造り出す心象風景の切なさにハッとさせられ、涙ぐんでしまう。小学校の時、初めて買ったカセット(昭和だよねぇ(^o^;)が『予感』。以来、彼女の歌を敬愛し続けてきたけども、今更ながら、やはり、おそるべし中島みゆき…か。「あどけない話」「風にならないか」「時は流れて」…琴線に触れるわぁ。2022/05/22
chantal(シャンタール)
92
これは紛れもなく詩集。中にはいくつか知らない歌の歌詞があったが、メロディが浮かばないので完全に「詩」として読む。子供の頃から中島みゆきを聴いて育った私。彼女の歌詞から自分で物語を想像し、布団の中でワクワクしたり涙したりしたものだ。今読んでも思わず涙ぐんでしまう歌詞多数。どうしたらこんな詩が書けるのか。桜木さんの巻末エッセイを読んで、そう言えば、桜木さんのお話って、みゆき的だなと納得。どちらも甘い夢や愛なんかない世界。でも、絶望の中でちょっとだけ希望が見える、そんな世界。2022/09/06
とよぽん
71
詩であり、歌詞であり、悠久の真をうたう芸術作品だと思う。媒体としてのCDやDVDもそれぞれ良いが、「詩集」という書籍になった本書は、改めて文字遣いや連など、目で見て確かめることができて新鮮だった。歌詞として聞いていただけではわからなかった漢字の使い方、改行、段組なども眺めて味わった。巻末の桜木紫乃さん登場には驚いたが、とても深い味わいのあるエッセイだった。2022/07/06
ケイト
66
北の歌姫が【愛】を語り謳いあげる。素直に言えない言葉を吐露するのがいい。ドラマの主題歌や挿入歌もあり思わず口ずさむ。『歌姫』の「男は嘘がうまいね」「 女は嘘が好きだね」この言葉にグッとくる。『あぶな坂』のドロドロ感、一言一句に鳥肌が立つ。『悪女』がないのが残念だっなぁ〜。巻末の桜木さんのエッセイは良かったー彼女の文章も心に染みた。2022/06/15