出版社内容情報
帝都ホテルで副料理長をしていた孝蔵は妻の一子と、実家のある佃で洋食屋「はじめ食堂」をオープンさせた。無銭飲食の客に親切にしたり、近所に泥棒が入ったり、息子のタカシが行方不明になったり……と色々事件はありながらも、温かな常連客に囲まれて、今日も「はじめ食堂」は大にぎわい。続々重版した『食堂のおばちゃん』の昭和を描く、最高に美味しくて、人情味あふれる下町の洋食屋物語。巻末に著者のレシピ付き。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
279
東京の下町にオープンした洋食屋さん「佃はじめ食堂」が舞台のお話。昭和40年代の、まだ戦争の記憶を残しつつも時代が大きく変わっていくところが描かれていて楽しく読むことができた。そのなかに料理に関わる人々の喜びや苦しみが伝わってくるところもいい。それにしても美味しそうなものがいっぱい出てくるし近くの商店街のおっちゃんたちが飲みにくるみたいな雰囲気も楽しくっていい。2016/11/14
まちゃ
240
帝都ホテルで副料理長をしていた孝蔵と妻の一子が営む佃の洋食屋「はじめ食堂」。筋の通った孝蔵と一子の言動が心地良く、「昭和」の温かい雰囲気が感じられる作品でした。楽しめました。2016/12/01
ナイスネイチャ
225
図書館本。「食堂のおばちゃん」のスピンオフ。生前の孝蔵さんと若かりし頃の一子さんとのの話。戦後から食堂を続けて前作に至るまで温かく人間味あふれる人生を綴ってました。続編希望致します。2016/09/08
ドナルド@灯れ松明の火
199
山口さん3作目。昭和の佃・月島を背景に、はじめ食堂の耕蔵と一子と地元の人たちとの心温まるエピソードが描かれる。瀬尾まいこさんや山本幸久さんの作品と通じるような感じで凄く好ましい。おいしい食べ物を中心にした作品を今後も続けてほしい。お薦め2017/01/06
Yoshihiko
191
「食堂のおばちゃん」の前に当たる話。おいしそうな料理とホッコリエピソードがいい感じでした。巻末にレシピがあるのがまたいいですよね。2016/09/21