内容説明
湾岸地域のクラブで毒殺事件が発生、そして漂流中のクルーザーからは他殺体が発見された。事件の重要参考人として浮かびあがったのは、安積の親友・交機隊の速水だった―。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。卒業後、レコード会社勤務を経て、執筆に専念。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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koba
117
★★★★☆2014/03/17
ノンケ女医長
66
警視庁本部の捜査員って、そんなに横柄でいられるのかしら。捜査一課の矢口雅士刑事は、所轄の捜査をとにかく否定する。自分の言うことが正しいと確信し、捜査対象者をことごとく不愉快にする。たとえ相手が弁護士であっても、ひるまない。矢口の上司や安積は、かなり扱いに困っていた。速水直樹は「この口の減らない若造は何者だ」と述べ、反論にうれしそうな笑みを浮かべる。ああ、彼のようなメンタリティは、警察以外にもあらゆる会社が今最も必要とするものだ。怒りの表現でなく、小心を見抜き成長までさせた速水の観察眼に、今回も胸が梳く。2023/08/31
万葉語り
43
管内で二つの殺人事件が起きて、本部が二つ立つ。大変な臨海署でいまどき自己主張男子の捜査一課君と組むことになった安積さん。更に速水さんが担当外の事件の容疑者として事情聴取を受ける。ギスギスした現場で安積班の結束力が班長の安らぎになっていた。速水さんは交機隊でも刑事としても十分やって行けそうだと思った。長編一本でおもしろかった。2015/03/08
おれんじぺこ♪(16年生)
39
安積班シリーズ。今回は速水さんが大活躍。安積さんは相変わらずの落ち着きで(笑)いつも絡んでくる隣の班の設楽さんはおとなしめ。その代わりに若者矢口が強力に絡む(笑)速水さんの矢口に対する対応がいいね。どんな事件かって?あ、そうね警察ものだった、これ(笑)2015/08/25
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
38
久しぶりの安積班シリーズは、やはり安心して読める面白さでした! でも、そのぶんお約束の展開というか、ハラハラする緊迫感は無いですね。モー・ヘイダーの重苦しく陰惨な警察小説を読んだ後だから余計に、2件の殺人事件を捜査していてもライトに感じました。 今作は、安積と速水コンビの活躍が見れたから良かったかな。そして、この二人に教育された捜査一課のハリネズミ刑事矢口くんが、「いい刑事」になると良いですよね。そう言えば、今回の相楽係長は妙にオトナでした☆2013/04/11