内容説明
「謝ってほしいんです。あのときの県警本部長に。ぼくが要求するのはそれだけです」5月下旬のある日。生活安全課所属の小島百合巡査部長は、以前ストーカー犯罪から守った村瀬香里との約束で、ピアノのミニ・コンサートへ行くことになっていた。香里よりひと足先に、会場である札幌市街地にあるワイン・バーに着いた小島は、そこで人質立てこもり事件に遭遇する。犯人は強姦殺人の冤罪で4年間服役していた男。そのコンサートの主役は、来見田牧子、冤罪が起きた当時の県警本部長の娘だったのだ―。一方、同日の朝に起きた自動車窃盗事件を追っていた佐伯宏一警部補は、香里から連絡を受け、事件現場へ向かったのだが…。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年札幌生まれ。『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞、『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、『廃墟に乞う』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
142
道警シリーズです。作品をおうごとに主人公が佐伯さんから小島さんに移りつつあるような気がしなくもないです。冤罪事件を軸に展開していきますが、過去初期の頃の作品に比べると状況が状況(籠城中)なだけに、物語の起伏はそんなに激しくはありませんが、地味な展開ながらも読んでいる側を飽きさせず、釘づけにするところはさすがです。前作『密売人』前々作『巡査の休日』と比較的地味な作品が続いてますが、そろそろ佐伯さんが最前線に出て事件を追う作品が読みたいですね。それにしても、小島さんは松雪泰子さんにしか思えなくなっています。2013/02/08
かずよ
95
道警シリーズ第六弾!今回は小島巡査巻き込まれ系の立てこもり事件発生!佐伯と新宮津久井のいつものメンバーが、いつも通り活躍する安定した面白さ!長正寺も完全に仲間入りしたね!2014/03/02
大地
84
道警シリーズ第六弾。安定の面白さ。いつものメンバーがいつも通りの活躍っぷり。長正寺もメンバー入りって感じでいいね。しかし、キャリア2人の保身っぷりは最低やな。2014/04/14
よむよむ
71
道警シリーズ何作目?ワインバーで冤罪の謝罪を求める監禁事件が発生。偶然居合わせた小島百合は違和感を感じる… 今回もお馴染みのメンバーが要所でしっかりとしたお仕事を見せてくれました。もう少しガツンとした所が欲しかったような気がしますが、サラッといくのもこのシリーズの魅力でしょうか。アッタマにくるのが腰抜けオヤジたち!実際に警察にも国会にもごろごろしていそうでタメイキが出ます。佐伯さ~ん、小島さんを泣かしたら承知しないからねっ2013/02/26
どんちん
69
シリーズものだけあって、安心して読むことができた。一時は逆にシリーズものだけに、話の規模がでかくなって、単なる1刑事とその仲間で対応するには不自然さがあったが、今回のような小じんまり?したものだと設定として普通かな、まぁ多少のご都合主義はあってもw。お気に入りの長正寺の活躍が少ないというか、いただけ?そういう意味では、今回は激しいアクションがなく、誰もが派手に活躍ということもなく、また人質小島に危害もなく、スマートな解決でよかった。このシリーズの事件はエピローグのためにあるから、こういうのもいいかも。2014/05/24