感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おりん
30
攻殻機動隊シリーズは結構好きだが、著者による小説は初読み。マニアックで地味で渋い。最初に著者の得意分野、銃器の知識が衒学的に語られ、描写もされる。ここで読む人を選ぶのでは。自分は正直ちょっと退屈だった。その後中盤あたりから死について、大多数の人に備わる殺人への抵抗感について引用を交えながら語る。ここは結構面白かった。特に殺人への抵抗感と、それを打ち消し軍隊を作る方法、そしてその歴史については興味深かった。それが一通り終わると、この話の舞台が作られた理由が語られ、やっと物語が動く。2018/03/29
ふ~@豆板醤
29
バイオハザードとか好きだったら楽しめそうな本。ひたすらゾンビ(=「死を生きている人間」)をやっつけて銃の手入れして‥という繰り返し。バイオの主人公の心の声を聞いてる気分。‥でも、それだけ。かと思いきや、最後の解説でようやく“ゾンビ日記”たる所以が明らかに。「共同体なき世界で人は何を自分の生の根拠とするのか――彼は身体と事物のマテリアルに行き着くしかなかったのだ」とのこと。言われれば納得(笑)「現実以上の真実――それが芸術だ」2016/10/23
miroku
21
内省的な、あまりに内省的な。人とは思考する生き物である。前代未聞のゾンビもの。2014/02/12
まつじん
20
生きるということは、ということをスナイパー目線で描いた物語なのでしょうか。ぶっとんでます。脳内麻薬でまくりですかな。2014/01/18
HIDE
13
主人公はゾンビではないけど、ゾンビの大量出現によって社会が崩壊したせいで、社会的な意味での人間ではなくなっている。これはおそらく、そんな主人公が再び、人間に戻る物語。印象に残っているのは舞踏家の姉のエピソード。この小説ではゾンビによる社会崩壊や狙撃や人間性の逸脱などの思弁が大量に語られるのだけど、姉のエピソードがこれらを美しく、また独特の力強さでまとめ上げているとおもう。2012/07/09
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