出版社内容情報
小児の診断において,被ばくや診療時間短縮を考慮したうえでも,超音波診断は非侵襲性,簡便性,反復性から欠かせないものとなっており,画像診断の第一選択として超音波を行うことが多い。しかし,小児の場合,身体や臓器のサイズ・発達状態などから画像診断や描出のテクニックは成人とは違い,日常の診療の中だけでの単独でのスキルアップは難しく,そのコツを知るために研究会や勉強会において小児を専門とする放射線科医に教えを請う医師も多い。
本書は,小児・新生児において頭部も含め全身の診断に有用なモダリティとなった超音波検査による,病変の描出,読影のテクニックから診断までをまとめた1冊である。
目次
第Ⅰ章 正常像と描出に必要なテクニック
1 頭部
脳/頭蓋
2 脊髄
3 頸部および顔面
眼窩/唾液腺/甲状腺/副甲状腺(上皮小体)/頸部リンパ節/咽頭弓・その他
4 胸部
肺,縦隔,胸腔,胸壁/乳腺/冠動脈
5 肝臓
6 胆道
7 脾臓
8 副腎
9 膵臓
10 腹膜,腹壁,腹腔,および腹膜外腔
11 消化管
出生直後の新生児の特殊性と留意点/食道・胃・十二指腸・小腸・結腸・虫垂
12 鼠径部
13 泌尿器
腎臓・尿管・尿道・膀胱
14 男性生殖器
精巣・精巣上体・陰嚢
15 女性生殖器
卵巣・子宮・腟
16 骨軟部
17 血管
第Ⅱ章 各疾患の超音波診断のポイントと所見
1 頭部
■脳
先天異常/頭蓋内占拠病変/破壊性病変/炎症
■頭蓋
先天異常,腫瘍,炎症,外傷,その他
2 脊髄
脊髄超音波検査の主要な対象疾患
3 頸部および顔面
眼窩/唾液腺/甲状腺/副甲状腺/頸部リンパ節/咽頭弓・その他
4 胸部
胸壁および胸郭内の病変/乳房の先天異常/乳房の腫瘍と腫瘍類似病変/川崎病
5 肝臓
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他(肝移植など)
6 胆道
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
7 脾臓
先天性奇形/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
8 副腎
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症,外傷・損傷,その他
9 膵臓
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
10 腹膜,腹壁,腹腔,および腹膜外腔
先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
11 消化管
新生児危急疾患
■食道・胃
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症,その他
■十二指腸・小腸
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷/その他
■結腸・虫垂・直腸・肛門
先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/その他
12 鼠径部
鼠径ヘルニアとその鑑別疾患
13 泌尿器
■腎・尿管
先天異常/腫瘍・腫瘍類似疾患/炎症/外傷/その他(腎移植など)
■膀胱・尿道
先天性疾患/腫瘍と腫瘍類似疾患/炎症,その他
14 男性生殖器
■精巣・精巣上体・陰嚢
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症・急性陰嚢症/外傷・損傷/その他
■前立腺・精嚢・陰茎
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変
15 女性生殖器
■卵巣・卵管
先天異常,腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷
■子宮・腟
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/外傷・損傷,その他
16 骨軟部
先天異常/腫瘍と腫瘍類似病変/炎症/外傷・損傷
17 血管
先天異常,腫瘍と腫瘍類似疾患,炎症および炎症類似疾患/外傷・損傷,その他
第Ⅲ章 おさえて役立つ技術と基礎知識
1 機器の原理とアーチファクト
2 アメニティーと患者看護
3 医療制度と保険点数