出版社内容情報
《内容》 疾患病態概念の変化等により大きく変遷し続けている心不全治療の、増加を続ける情報と治療選択肢から、個々の患者の病態を踏まえてどう活かしていくか、具体的治療法から解説。
臓器パラクライン的アプローチとしての運動療法・温熱療法・夜間酸素吸入療法などや、臓器オートクライン的増悪因子抑制として薬物療法、ぺーシング、外科的治療、また、現在大きな期待が寄せられている心筋再生治療などについてもわかりやすく解説。
《目次》
循環器New Trendsシリーズ 7
心不全治療への挑戦
I-心不全の病態
1.心不全の成因と予後予測 中浦宏幸・今泉 勉
II-慢性心不全の治療戦略-薬物療法を中心に
1.慢性心不全薬物療法の最前線 大草知子・松崎益徳
2.拡張不全の診断と治療 山本一博・増山 理
3.合併する不整脈の管理 佐々木真吾・樋熊拓未・奥村 謙
III-うっ血性心不全の治療戦略
1.慢性心不全の運動療法 後藤葉一
2.温熱療法の実際とその効果 鄭 忠和・木原貴士
3.夜間酸素療法の意義と適応 麻野井英次
4.Cardiac resynchronization 松田直樹
5.慢性心不全のvolume reduction手術 川口 章
IV-急性心不全の治療戦略
1.急性心不全の薬物療法 林 明聡・佐藤直樹・高野照夫
2.心筋炎の治療方針 竹内一郎・和泉 徹
3.補助循環の適応と実際 中谷武嗣
V-心移植,再生・遺伝子治療
1.心臓移植の現状と展望 白倉良太・宮川周二・福嶌教偉
2.虚血性心疾患に対する血管新生療法 濱野公一・李 桃生
3.心筋再生治療の展望 澤 芳樹
内容説明
ACE阻害薬の登場により交感神経・RA系を中心とする神経体液因子の活性亢進が心筋不全の増悪機序と考えられるようになった。この疾患病態概念の変化は、慢性心不全の治療進歩の歴史の中で極めて大きな意味をもつ。それは、心不全を心臓固有の閉鎖系でとらえるのではなく、臓器パラクライン的に理解する必要性が認識されたからである。本書で取り上げられている運動療法、温熱療法、夜間酸素吸入療法は神経体液因子を抑制するACE阻害薬やβ遮断薬と並んでパラクライン的アプローチであるといえる。
目次
1 心不全の病態(心不全の成因と予後予測)
2 慢性心不全の治療戦略―薬物療法を中心に(慢性心不全薬物療法の最前線;拡張不全の診断と治療 ほか)
3 うっ血性心不全の治療戦略(慢性心不全の運動療法;温熱療法の実際とその効果 ほか)
4 急性心不全の治療戦略(急性心不全の薬物療法;心筋炎の治療方針 ほか)
5 心移植、再生・遺伝子治療(心臓移植の現状と展望;虚血性心疾患に対する血管新生療法 ほか)
著者等紹介
堀正二[ホリマサツグ]
大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学教授
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