内容説明
音楽好きの高校生ユウカ。神社でギターを練習する青年・ヨウと出会ったことで、彼女の世界は大きく変わりはじめて…。小さな田舎町、星蔭町で育った3人の幼なじみ―ユウカ、ミサキ、ショウタの物語がジミーサムPの楽曲に乗ってめぐりはじめる。100万人が涙した「from Y to Y」をはじめ、ジミーサムPの大ヒット曲をベースにした珠玉の連作短編小説集。
著者等紹介
ジミーサムP[ジミーサムP]
代表曲「from Y to Y」は2014年6月時点、動画投稿サイトにて180万再生を記録。他に「Calc.」「No Logic」といったシーンを代表する名曲の数々を創り出しているクリエイター
三上康明[ミカミヤスアキ]
神奈川県生まれの小説家。ライトノベルを中心に、集英社スーパーダッシュ文庫、小学館ガガガ文庫、メディアファクトリーMF文庫Jなどで作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぞみ@道東民
6
☆3.52016/08/07
薄荷飴
3
原曲が好きなので購入しました。文章が高校生のそれのようですが、作者の作品傾向的にそういう演出なのだろうと思います。内容はド直球の青春小説となっているのですが、それゆえに自分のような社会に揉まれきった大人が読むとさすがに読者層のギャップというものをひしひしと感じました。眩しい羨ましいむず痒い寒いという感情が綯交ぜでなんとも言えない気分になります。逆に言えば感受性が豊かな中高生がこの本を読まれるとすごく心に残る一冊なんじゃないかと思います。せめて初めて原曲を聞いたときにこの本を読めたらと思わずにはいられません2014/08/27
白雨
2
帯に惹かれて購入しました。将来への期待と、生まれ育った場所を離れてそれぞれ幼馴染や友人とは違う道を選ぶことへの不安や心の葛藤とが、平易でありながらも突き刺すような純粋で綺麗な表現で描かれていました。文章自体は特に技巧的というわけではないけれど、あまり飾ることをしない作風が高校生を描いたこの作品にはピッタリだと思います。自分の将来を見つめ、その結果別れることになってしまう親しい人たち。どうしようもない寂しさや心の揺らぎと日常の温かさが溶け合い、一瞬一瞬が愛おしく思える作品でした。原曲も素敵です。2014/10/15
鑑真@本の虫
1
ボーカロイド楽曲『from Y to Y』ノベライズ。 小さな田舎町・星蔭町を舞台に、3人の幼なじみ――ユウカ、ミサキ、ショウタの成長を描く。 将来への不安や迷い、葛藤が拙くも突き刺すような鋭い文章で表され、青春小説としての良さを十二分に感じる。 特にユウカとヨウのエピソードは互いに影響しあい、互いを目標に夢を追うような素敵さがあった。 青臭さが抜けない書き方ではあるが、それはそれで味がある気もするし、全体としても悪くなかったのではないだろうか。 個人的にミサキのエピソードの父親の行動が好き。2015/04/08
さと
1
買ってそすぐに読了。ボカロ小説に対していい印象を持ってない人間ですが、思っていたより悪くはなかった。面白いとも言えないけれど。読んでいて「これただの二次創作じゃないか?」と思えるのはしょうがないことなのだろうか。久しぶりにジミーさんの曲が聴けてうれしいのもあるけれど、書下ろし新曲はめちゃくちゃよかった。ジミ最後の章は曲と同時進行で読むと臨場感があってよかった。こういう読み方は非常に面白い。ただやっぱり、ジミーさんの実話を虚構に落とし込んでる分、心には響かなくなってしまうよなあ、と。2014/06/29