内容説明
高校三年生の春、雨流優花のクラスに世界初のAI漫画家リュッカ・ボーグが転校してくる。リュッカはAI開発実験に参加した中学二年生のころの優花の人格を元に作られていた。かつて漫画家を志し、夢を諦めた優花は成功しているリュッカと距離を取る。そんな中、生徒会選出馬を求められたリュッカは優花に対しある条件を突きつけてくる。リュッカが転校してきた理由とは?そして、その条件が意味するものとは―?
著者等紹介
人間六度[ニンゲンロクド]
1995年、愛知県名古屋市生まれ。2021年に『スター・シェイカー』でハヤカワSFコンテスト大賞、『きみは雪をみることができない』で電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
27
高校三年生の春。突然、雨流優花のクラスに転校してきた世界初のAI漫画家リュッカ・ボーグ。その存在が優花に忘れかけていた夢を思い出させてゆく近未来青春小説。中学二年生の頃、AI開発実験に参加した優花の人格を元に作られ、人気漫画家として成功したリュッカとの思わぬ再会。漫画家になる夢を諦めた過去から、距離を置こうとした優花が抱く葛藤。かつての彼女を知る幼馴染の詠太や、その動向を複雑な想いで眺める友人・千郷の想いも絡めながら、リュッカが思い出させてくれた自らの熱い想いに向き合ったその結末はなかなか良かったですね。2023/05/23
ヤギ郎
4
バーチャルシンガー・花譜を題材にした小説。タイトルの「過去を喰らう」も花譜の楽曲の一つである。2023/05/08
どどんぱー
2
前半がちょっと安いAIロボット物で、少しがっかりしていたが、後半で盛り上げができていた。ただ、AI物としては、薄い感が否めない。2024/01/19
slice
0
スター・シェイカーに見た鮮烈さが欠片もなくなっていて、ただの凡庸で平凡でつまらないSF小説に成り果てているのは、既存キャラクターを小説に起こしたからということで解釈すればいいのか、それともただ単に人間六度という作家の鮮烈さがスター・シェイカーのみにあったただの偶然であったということなのか、いよいよ判断せねばならないと思った次第。2024/05/18