内容説明
家出をして宛てもなく歩いていた成瀬優生は、青山霊園で妙な男を目撃する。全身黒ずくめのその若い男は「おまえの“罪”を斬りに来た―」と、目の前の男を刀で切り上げたのだった。翌日、「刀の男」を見かけた優生が後をつけてみると、その男は喫茶店のマスターとして働いていた。殺人によって家族全員を亡くした優生は、その男が犯人ではないかと思い「刀の男」の監視を続けるが…。
著者等紹介
藤咲あゆな[フジサキアユナ]
東京生まれ。某少女小説新人賞で読者大賞を受賞し、デビュー。脚本家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅羽
5
一家惨殺事件で家族全員を失い、その犯人を追う少年と、霊園で人を殺した刀の男。その男の正体は…。このレーベルの創刊二号となる作品ですね。長らく積んでいたのですが、読み出すと中々面白くて一気に読んでしまいました。優生と寡黙で得たいの知れない紫堂。そして適当で緩めな明彦。この噛み合わないようで絶妙なやり取りが楽しかったです。2013/06/15
みか
0
★★★ 一家惨殺事件の生き残りとなった、当時3歳だった優生。たらい回しにされた親戚の家を中学卒業とともに飛び出し、あてもなくフラフラしていたところ、墓地で中年男を日本刀で切りつける青年を目撃した。青年の正体を探る優生は、成り行きで青年の店の向かいでバイトすることになった。 壮大なプロローグといった感じで、作中で特に事件は起きない。が、設定とキャラクターが面白いからか、わりと楽しんで読めた。優生は時効までに家族を殺した犯人を突き止められるのか?2013/02/08