感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
103
文楽を、観客の変容という視点で捉えた見事な評論。昭和5年の四ツ橋文楽座の開場で、文楽に一気に新しいお客さんが集まった。それは「無知な観客」だった――無知とは知識の欠如であり知性の欠如ではない。むしろ旺盛な知的好奇心をもって舞台に接する極めて知的活動性の高い観客たち。ここに文楽は、庶民の芸能から「古典芸術」になった(なってしまった)のだと。後半に浄瑠璃評論の変遷が紹介されているが、私は、武智鉄二さんの山城少掾一辺倒の方向性が――山城少掾の偉大さを心から尊敬した上で――、今日の文楽の衰退を生んだと思っている。2025/03/21
えりまき
19
2025(11)観客の観点からみた人形浄瑠璃の歴史。聞く文楽から、見る文学への移行。「新しい観客の『無知』とは、知識の欠如を指しているのであって、知性の欠如を意味していない。」「『無知な』観客は知性を書いた観客であるどころか、旺盛な知的好奇心をもって人形浄瑠璃の舞台に接するきわめて知的活動性の高い観客である。」。「廓街の戸外の闇夜と室内の対比は、太夫の音遣いと三味線の撥捌きによって描き出されるべきものであった。」 2025/01/11
Go Extreme
1
新しい観客と人形浄瑠璃の関係: 観客の変化ーモダニティの感受性を内面化 映画との関係ー人形浄瑠璃もまたモダニティとの関わりを持つ 四ツ橋文楽座と観客の経験: 劇場の近代化 観客の観劇態度ー椅子席への移→リラックス 人形浄瑠璃の「古典芸術」と新作: 新作の必要性 古典と新作の関係 新しい批評の確立: 近代批評の成立ー批評家と公衆の関係形成 批評の多様性 現代における人形浄瑠璃の意義: 古典芸術としての位置づけ ジャンル横断的な活動ー古典作品と新しい試みとの往復運動の中で生き続ける 2025/01/28
takao
0
ふむ2025/04/17
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