内容説明
「『万葉集』研究における歌人論の意味は何か。それは…」山部赤人の個々の作品を精緻に読み解き、歌人の総合的な把握を目指す。「歌人論について」においては、今日における万葉歌人論を述べ、「序章」げは、同時代における赤人の評価および登場の背景について論じ、三部十三章(補論一章)においては、個別の作品について考察する。「終章」として、赤人歌の伝来と享受を富士山歌に即して述べる。
目次
歌人論について
序章 赤人の評価および登場の背景について
第一部 行幸での詠作(紀伊国行幸従駕歌;吉野讃歌第一歌群;吉野讃歌第二歌群;吉野讃歌第一・第二歌群の関係;難波宮行幸従駕歌;印南野行幸従駕歌)
第二部 各地での詠作(富士山歌;伊予温泉歌;真間手児名歌;春日野作歌;辛荷島作歌;敏馬浦作歌)
第三部 景物の表現(春の歌四首;韓藍の歌と藤波の)
終章 赤人歌の伝来と享受―富士山歌をめぐって